
- 687 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:28 zBg84Wqz
- (閲覧注意!!)
学校生活の中で最も開放的な時間である昼休み、ちよちゃんは手作りのお弁当を持って窓際の榊の席で榊と一緒に昼食を食べた。
その日のちよちゃんはとても機嫌が良く、ウキウキした調子で明るげに榊に話しかけていた。けれど、そんなちよちゃんとは対照的に榊の表情はとても沈んだ物だった。
「あれ、榊さん、どうしたんですか?」
「えっ?」
「私の話、ちゃんと聞いてますか?」
「あっ……ごめん、聞いてなかった」
榊は顔を伏せてちよちゃんに謝った。話を聞いてくれなかった榊にちよちゃんは機嫌が悪くなる事はなかった。それよりも榊の様子が少しおかしいと思った。
「どうしたんですか、榊さん、何か悩み事でもあるんですか?」
「えっ?」
普段からクールで感情をあまり表に出さない榊。そんな榊は誰が見ても普段と変わりない、いつもの榊に思えたが、ちよちゃんだけは榊の異変を感じ取った。
「いっ、いや、何も悩んでない」
「えー、本当にそうですか、榊さん?」
「ほっ、本当だ」
榊はちよちゃんの質問に緊張を覚えながら、なんとかちよちゃんをごまかした。ちよちゃんは少しの間、榊に懐疑的な視線を送ったが、あまり深く考えたりはせず表情を戻して話を再開した。
榊はちよちゃんに怪しまれないようにするため、ちよちゃんとの会話に集中する、だが、そんなちよちゃんの会話はどこか遠く聞こえた。
今、榊の頭の中には一人の男、彼の事で占められていた。
彼――ちょっとワルっぽい自動車修理工で阿部高和と名乗る男の事だった。
- 688 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:30 zBg84Wqz
- 榊が彼、阿部高和と名乗る男と出逢ったのは、およそ一ヶ月ほど前の事だった。
榊は、その日、猫が良く集まると評判の公園に足を伸ばし、猫を見つけては手懐けようとしてはいつものごとく手を噛まれ逃げられてしまった時、そんな榊の光景を見て笑った人物が居た。
榊はその笑い声にハッと振り向くとベンチに座るツナギ姿の男と目があった。
「猫が好きなのか?」
男はそう榊に向かって気さくに喋り掛けた。榊はそんな男に対して恥ずかしさがこみあげ、どう応えたらいいのか分からずにいた。すると、そんな榊に対して男はもう一度笑った。
それが、榊と阿部高和の初めての出逢いだった。
- 689 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:36 zBg84Wqz
- 今まで榊にとって男とは、それについてすら考えた事もないとても縁遠い物だった。
それは昔から現在に至るまで抱かれる榊の印象、美人であるがどこか近寄りがたい印象。
女子の平均から飛び抜けて高い身長とスタイル、切れ長の鋭い瞳、無口で無表情。
美人であってもどこか住む世界が違うと思わせられる、そんな榊の特徴に今まで誰も榊に話し掛けてきた男は居なかった。
無論、榊はそんな自分が本当の自分じゃないと思ってはいたが、そんな自分をうまく説明できるほど器用でない事も分かっていて、結局、周りの抱くイメージに対し諦観して今まで生きてきた。
そんな榊に対して阿部高和と言う男の存在は突然な物だった。
阿部はいつもその猫の集まる公園にいて、いつも同じツナギ姿、同じベンチにいた。そして榊に対していつも気さくに声を掛けた。
声を掛けられる度に榊は緊張を覚え、慎重に言葉を選んで返事をした。
変な事を言ってないだろうか? ちゃんと相手に伝わってるのだろうか? 面白くない事を言ってないだろうか? つまるところ男とどう喋ったら良いのか知りもしない榊にとって阿部に話し掛けられる事は何よりも疲れる物だった。
けれど、けれど、その事に対して迷惑に思った事は一度もなかった。
「そう言えば榊ちゃん、榊ちゃんは彼氏はいないのかい」
「…………いない」
「おや、本当にいないのなかい」
「うん、私、背が高すぎるし、目つき悪いから……」
「そうか? 榊ちゃん、カワイイのに」
「カワイイ? 私が?」
「ああ」
ごく何気ない阿部からの言葉、榊にとっては生まれ初めて言われた言葉。その言葉は榊の脳裏に深く刻み込まれ一人で居る時、何度も何度も思い返された。
やがて榊は阿部の座るベンチの隣に自然に腰を掛けられるようになっていった………………しかし、阿部にはおよそ信じられない秘密があった。
- 690 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:37 zBg84Wqz
- 榊が阿部の秘密を知ったのは一週間前の事だった。
その日の休み時間、榊がボンクラーズの面々との会話が事の発端だった。
「ねぇねぇ、ハッテン場ってなに?」
「なんだ、それ?」
「分からないから聞いてるんだよ」
智の質問に対して誰もが首をかしげる中、大阪が胸を張って智の質問に答えた。
「ハッテン場ちゅうのはな、男でありながら男が好きなホモさん達が集まる場所の事を言うねん」
「ええー、ウソ、本当なの、それ?」
「なんやねん智ちゃん! ウチの言う事が信じらへんのかい!」
「いっ、いや、別にそう言う事じゃ……」
「でも、本当にあるのかよ、そんな場所」
「うん、あるで、こっから近い所で言えば、あの公園やね」
「ええー、マジかよ」
「なんで、そんな事まで知ってんだ、お前!」
その会話の内容に誰よりも衝撃を覚えたのは榊であった。大阪の指す公園、まさしく阿部の居る公園だったからだ。
- 691 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:39 zBg84Wqz
- 放課後、榊は居てもたってもおらず阿部の公園に向かった。
(違う、阿部さんはそんな人じゃない!…………)
何度もそう思いながら榊が公園に着いた時、阿部は…………居た。
阿部はいつものベンチに座り、いつもと同じ様子だった。だが、その阿部の隣には一人の男が座っていた。
阿部の隣に座る男は予備校生風の若い男で、緊張した様子で阿部と会話し、阿部はそんな予備校生風の男に対し気さくに喋り掛けていた。
榊はそんな光景に息を呑みながら真剣に様子を見守った。脳裏では大阪の言葉が自分の意志とは関わらず強く浮かび上がってくるが榊はその言葉を必死で否定した。
(阿部さん誰にでも優しい人だから……)
そう強く願う中、阿部と予備校生風の男はベンチから立ち上がった。二人はこの公園にある公衆トイレへと向かった。
(トイレ?……)
二人の男が榊の前から消えた。榊は言いようのない不安に見舞われた。
いったい、なぜ、二人でトイレへ? いや別にただの偶然? すぐに戻ってくる?……。疑問が疑問を呼び、最後に二人はトイレで何をしているのか? だけが榊の中で残った。
榊は一歩一歩二人が消えたトイレに足を歩ませた。そして、トイレの個室の窓を発見した。
- 692 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:40 zBg84Wqz
- トイレの個室の窓に榊は胸が痛むほどのためらいを感じた。けれど、そのためらいに体――本能は無意識のうちに中の様子を伺う事に働いた。
しかし、その個室の窓から展開されていたのは榊にとってはまさしく最悪の光景、阿部と二人の裸の男が互いに複雑に絡ませ合う、ホモセックスの光景だった。
「で 出そう……」
「ん? もうかい? 意外に早いんだな」
「くうっ!気持ちいい……!」
「このぶんだとそうとうがまんしてたみたいだな」
「あんまり気持ちよくて……こんなことしたの初めてだから……」
「ところで俺のキンタマを見てくれ、こいつをどう思う?」
「すごく……大きいです……」
「でかいのはいいからさ、このままじゃおさまりがつかないんだよな。こんどは俺の番だろ?」
「ああっ!!」
「いいぞ……よくしまって吸いついてきやがる……」
「アオオオ―――ッ!!」
「出……出る……」
「しーましェーン!!」
榊はその光景に思わず叫びそうになるのを何とか手で口を塞ぎながら堪えた。必死に堪えた。
(あっ、阿部さん!……)
体中に走るショックに榊は全身の力が抜け、目頭が熱くなるのを覚えた。そして、ふらつくように一歩引いた、その瞬間、榊は地面に落ちている小枝を踏みつけた。
――パキッ
「誰だっ!!」
阿部の鋭い声がトイレの個室から榊の元に届いた。榊はその声に現実に呼び戻され、自分が阿部のホモセックスを覗いている状況を理解した。
榊はあわてて逃げた。残った全身の力を振り絞り、無我夢中でその場から逃げ出した…………。
- 693 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/15 22:41 zBg84Wqz
- …………榊が気がついた瞬間、そこはもう自分の家の自分の部屋だった。
時間の感覚は麻痺していて自分がいつ自分の部屋に戻ってきたのか分からないが、なんとか阿部から逃げ切った事を理解すると急速に安堵と涙が漏れた。
初めて普通に話せる、初めて自分の事をカワイイと言ってくれた男性、阿部高和。彼は普通の男ではなかった。異性よりも同性を好む嗜好の男であり、女である自分にとって遙か遠くの存在である事の認知が榊に
とって涙を漏らさせた。
「阿部さん…………」
涙とともに拭いきる事が出来ないトイレでの光景、阿部と予備校生風の男がまぐあう光景が鮮明に榊の脳裏に蘇った。だが、その光景は耐え難い現実とともにある種のイメージを強く浮かび上がらせた。
それは、阿部の体。広い肩幅、浮かび上がる筋肉の線、かたく引き締まったヒップ、それは榊にとって今まで知りようのなかった逞しい男の肉体が榊の脳裏に強く刻まれていた。
そして、そんな阿部の肉体を思い返すうちに榊は濡れていた…………。
- 704 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:48 c8f7Zwld
- >>687-693から続き (閲覧注意!!)
その日の放課後、榊は一人、下校していた。結局、今日一日は誰とも喋る事なく、授業もまるで耳に入ることなく、ずっと阿部高和の事を考えていた。
阿部の事について色々な事を考えた。もう考える事がないと言うぐらいまで考えたが、それでも榊の頭の中で阿部の事は消えなかった。
榊は足を止め公園のある方向に振り向いた。今、阿部は何をしているのだろうか、また、この前のように自分の知らない男と愛し合っているのだろうか? 榊は言い様のない淋しさの中、阿部の事を想った。
「あれ、榊ちゃんじゃないか」
「えっ!?」
「やぁ、夕日で気がつかなかった」
「あっ、阿部さん……」
榊は呆然となりながらも自分に声を掛けてきた人物の名をつぶやいた。今日も公園、ハッテン場に居ると思われた阿部が今、榊の目の前に居た。
「学校帰りかい、榊ちゃん?」
「うっ、うん……あっ……阿部さんは?」
「うん、俺かい、俺は今、家に帰るところだよ」
「家?」
「ああ、そこのアパートが俺の家さ」
阿部は榊に自分の家を指差した。阿部の家は今、二人が居る位置より目と鼻の先にある小さな古いアパートだった。
「どうだい、榊ちゃん、ちょっと寄っていかないかい?」
「えっ?」
「お茶ぐらい用意するよ」
阿部はそう榊にいつもと変わらぬ気さくな態度で誘いを掛けた。
その誘いに榊はひどく混乱し今日一日、阿部について考えたいた事がすべて思い返され、またすべて忘れた…………。
「うん、どうしたんだい、榊ちゃん?」
「すっ……、少しだけ……」
榊は混乱の中、無意識に阿部にそう答えていた。
- 705 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:49 c8f7Zwld
- 「汚いところだけど遠慮しないでくれよ」
「お邪魔します」
榊は阿部にそう言われ、榊は胸が高鳴るのを感じながら靴を脱ぎ生まれて初めて男の部屋に上がった。
阿部の家は六畳一間の間取りで、コタツと二つに折っただけの布団と、一見、清潔とは言い難い部屋だったが、それでもここが阿部高和の部屋だという事に榊は興奮を覚えた。
「あんまりジロジロ見ないでくれよ、恥ずかしいじゃないか」
「あっ、ごめん……」
阿部が照れ臭げな顔で榊に言うと榊はすぐさま慌てて顔を伏せた。
阿部はそんな榊に過剰なまでの反応に苦笑しつつ台所のガスコンロの火をつけ、お湯を沸かし始めた。
「コーヒーでいいかい、インスタントだけど」
「うん」
榊は阿部に返事をするとともにゆっくりと顔を上げコーヒーを用意する阿部の横顔を見つめた。
彫りが深く逞しい顔立ち、青く残るひげそりのあと、高いのどぼとけ。いつも阿部の座るベンチの横で見てきた阿部の横顔はまったく変わりない、自分の知る阿部の顔その物であり、榊は今日一日感じてきた不安がウソのように落ち着きを覚えた。
「おっ、沸いた」
コンロの上の小さなヤカンがコトコトと震えると、阿部はカップを用意する。
榊はそんな阿部の様子にコタツの上に視線を移した。コタツの上は、新聞、雑誌、ソース、空き缶など色々な物が散乱しており、片づけないと、と榊は思った。
しかし、コタツの上に榊が手を伸ばした瞬間、榊は信じられない物を発見した。
- 706 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:50 c8f7Zwld
- 「えっ!?」
榊が阿部のコタツの上で見た物はとても見慣れた生徒手帳であり、まさしく自分の通う学校の生徒手帳だった。
榊は自然に、その生徒手帳に手を伸ばし中を開いた。するとそこには自分の写真、榊の写真が貼られてあった。
「お待たせ、榊ちゃん……うん?」
「あっ、阿部さん……」
榊はその手帳が自分の物である事の確認を終えるとと消えていた不安と、自分が生徒手帳をなくした記憶、ちょうど最後に阿部の公園に行った一週間前だと言う記憶が 急速に渦を巻きながら蘇った。
今ここに自分の生徒手帳があるという事は、すなわち阿部があの時、榊が阿部のホモセックスを覗いていた事がバレれている可能性を示唆していたからだ。
「それ、榊ちゃんの生徒手帳だろ」
「あっ…………」
阿部は榊の様子に対して何事もなかったかのように、コーヒーを二つ、コタツの上に置いた。
「どうしたんだい、冷めちゃうぜ」
「……」
阿部は榊が自分の生徒手帳を見つけた事に何ら動揺を見せずコーヒーをすする。そんな、阿部に対し榊はまったくとい言っていいほど言葉が出てこなかった。
- 707 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:50 c8f7Zwld
- 榊は阿部の様子に、もしかして阿部は自分が阿部のホモセックスを覗いていた事を知らないのかしれないという希望にも似た推測が榊の頭の中でもたげる。
もし、ここでシラを切り、辻褄を合わせる事ができるのなら、榊と阿部の関係は現状を維持できる。
しかし、そこで榊は心の中で急速に歯止めがかかった。
(それでは阿部さんに対してウソをつく事になる…………)
歯止めは今、この状況の危機と比べればごく些細かもしれなかった。しかし、その歯止めは榊にとって決して消す事も押さえ込む事も出来ない物でもあった。
「榊ちゃん?」
黙り込む榊に対して阿部は静かに心配そうな顔で榊に声を掛けた。いつも見せる朗らかで気さくな表情ではなく真剣に榊の事を心配した表情だった。
そして、幾分の沈黙を経て、榊がようやく口を開いた。
「ごっ…………」
「うん」
「……ごめんなさい…………」
唇を震わせながら消え入りそうな声で榊がようやく発したのは阿部に対する謝りの言葉だった。その言葉を受けて阿部は表情の緊張を解き、コーヒーを飲み一息ついた。そして静かに語った。
- 708 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:51 c8f7Zwld
- 「やっぱり榊ちゃんだったんだね」
阿部のすべてを片づける、その言葉に榊は胸一杯に罪悪感を感じ阿部の顔を見れなかった。
「俺があの公園にいつもいたのはそう言う理由さ、いつもあそこで男を漁っていたのさ」
阿部はなぜ、自分があの公園でいつも同じベンチに座っていたのか榊に教えた。そうして教える阿部の表情は榊が今ままで見た事のない、どこか淋しげな表情だった。
「笑ってくれよ 俺はそういう男だったんだ。変態だよ 俺は……」
自嘲気味に語る阿部。その姿は榊にとって、まったく予想だにしない反応であり榊は胸に痛みを覚えた。
「阿部さん……もういい、やめて……悪いのは私の方だから……」
「いや、榊ちゃんは悪くないよ、あの時、俺が初めて榊ちゃんに声を掛けたのは榊ちゃんがカワイイと思ったからなんだ。それが、こんな事になっちまって……、榊ちゃんは何も悪くないよ」
「阿部さん!…………」
阿部の言葉を受けた榊は胸に強烈な疼きを覚えるとともに自分自身信じられない驚く事を言った……!
「抱いてください……阿部さん……」
「えっ……」
榊はその突然の言葉とともに無我夢中に阿部の胸に飛び込んだ。阿部は驚きながらも飛び込んで来た榊を受け止めては榊の様子を伺った。
「榊ちゃん……俺は……」
阿部は榊の言葉に言いようのない混乱を覚えた。だが、自分の胸の中で震える榊に阿部は考える事をやめた。
- 709 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:52 c8f7Zwld
- 阿部はチャックを降ろしツナギを脱ぎ捨てた。そしてこの部屋にある唯一の布団の上に仰向けに寝る榊に手を伸ばした。
「いいのかい、榊ちゃん?」
阿部はためらいがちに榊に聞いた。榊はずっと阿部から顔を背け、何も言う事なく沈黙を通していたが、頬に映える紅味だけは、ずっと消える事がなく阿部はそっと榊の頬に手で触れた。
火傷がしそうなほど熱い頬に阿部は榊に対しての言葉を頭の中から消し去った。そして、仰向けに寝ても型崩れしない榊の豊かな乳房にそっと手を当てた。
「あっ……」
榊は阿部の手が自分の胸に触れた瞬間、声を出した。だが、阿部はその声に構うことなくスッと榊の胸に唇を寄せ吸い付いた。
「あっ……」
榊は再び声を出すが阿部はまったく止まる事なく、榊の胸から首筋に掛けて、ゆっくりと時間を掛けて愛撫していった。
- 710 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:52 c8f7Zwld
- その慣れた阿部の愛撫に榊は全身が痺れるような刺激を覚え、そして、阿部の右手が榊の秘所に届いた時、榊の緊張は最高点に達した。
「そっ、そこは……」
榊は阿部に少し待って欲しい、そう言った旨の言葉を伝えたかった。だが阿部の榊の局部に対する手、指の動きは止まる事なく榊を弄んだ。
阿部の指が少し動く度に榊は全身に電流が駆け巡る。そして電流が駆け巡る度に首を振り言葉にならない声をあげていった。
やがて榊の熱い息切れの声が聞こえる頃、阿部は榊の局部から手を引き、榊の体を覆うような体勢を取った。
「あっ、阿部さん…………」
「行くよ、榊ちゃん……」
張りつめた表情で阿部は榊に最後の通告をした。榊はその通告を受けて榊は身を強張らせた。
「あっ、阿部さん」
榊は泣きいりそうな声で阿部の名を呼んだ。
「うん」
「わっ、私…… そっ、その、始めてだから……」
「優しくするよ」
榊が震えながら言った言葉に阿部は優しく諭し、阿部は榊の唇に自らの唇を重ね合わせた。
そして西日が差すアパートの一室で、榊は破瓜の瞬間を静かに迎えた。
- 711 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/03/16 22:53 c8f7Zwld
- 暗闇の部屋にようやく明かりが灯された。榊はその灯された明かりに現実感が覚えた。
(私……)
榊は自分が女になったと言う事に余韻を覚える事はなかった。それよりも自分のした事に対して後悔の念すら抱いていた。
あの時、阿部に抱いて欲しいと言った時の後悔、女である自分が阿部にとても無理な事を要求してしまった事に対する後悔だけが榊の胸を埋め尽くしていった。
「阿部さん……」
「うん、なんだい、榊ちゃん」
「ごめん、私、阿部さんに凄く、迷惑な事をお願いして……」
「迷惑?」
申し訳なさそうに謝る榊に対して、阿部は笑みを浮かべた。そして、榊の手を取った。
「さわってくれよ、榊ちゃん、これが榊ちゃんに対する今の俺の気持ちさ」
阿部はそう言って、榊の手を自分のペニスへと導いた。
阿部のペニスは榊との事が終わった後であってもまったく翳りを見せることなく張りつめており、その現象には榊は驚いた。
(阿部さんが、阿部さんが私に……)
榊は阿部のペニスに直に触れ、その感触を確かめた。
「どうだ?」
「堅くて太い……」
「覚悟しろよ、これからはコイツで榊ちゃんをヒイヒイ泣かせてやるからな」
気さくに話す阿部の表情に榊は阿部に対するとても慣れ親しんだ感覚を思い出した。
「うん……」
榊は阿部の言葉に頷き、そして、甘えるように阿部に身を預け唇を寄せ阿部とキスをした。
終