
- 295 名前: およげたいやき(1) 投稿日: 03/02/24 00:33 ID:8SNNosBt
- 男はその日もたいやきを焼いていた。
街の片隅にある小さなたいやき屋。この季節になると、学校帰りの女子高生たちが甘い香りに誘われてやってくる。
十ほども歳の離れた女の子たちが、白い息を吐きながら自分の焼いたたいやきをほおばる。
その元気な笑顔を見ていると、男はいつも強い欲望に駆られるのだった。
――彼女たちに自分という存在を深く挿し込みたい。
「街のおいしいたいやき屋さん」では飽き足らない。もっともっと彼女たちと関係したい。
陽が西へ傾きはじめるころ、店の軒先はいちばんの賑わいを見せる。
それをすこし過ぎてから、男は、かねてより考えていた新しいメニューの作製にとりかかった。
小麦粉・砂糖を卵と牛乳に混ぜあわせ、そこに特殊なガムベースを加える。
そのタネを型に流しこみ、すこし水っぽい特別製カスタードをのせて蓋を閉じる。
やがて焼きあがったたいやきは、見た目こそ普通だが、実際はカスタードのつまったうすいゴム風船。
予想通りの仕上がりにほくそ笑んでいると、いつの間にかひとりの高校生が店先に立っているのに気づいた。
「あ……いらっしゃい」
男はその制服姿の女子高生に見覚えがあった。
よく友達とふたりで店に来てくれる子だ。
きまって小倉と抹茶とカスタードを注文して、バクバク食べる短髪の子。
……を、横目に見ながら、おずおずと小倉だけを注文する眼鏡の子。
それが彼女――水原暦である。
男は暦を、標的にすることに決めた。
- 296 名前: およげたいやき(2) 投稿日: 03/02/24 00:34 ID:8SNNosBt
- 「あの……小倉、ひとつ」
眼鏡の奥で申し訳なさそうな瞳をしながら、暦はつぶやいた。
「あ、今、新メニューがおすすめなんだけど、どうかな」
いつもの騒がしい短髪と一緒じゃないのは、男にとって好都合だった。
「カスタードがおいしくなったんだ。試食、してみます?」
「え、試食」
「うん。タダタダ。カロリーもひかえめ」
言われて、暦はうつむいて頬を染めた。
いつも短髪が食べるのを恨めしく見ている理由も、男には察しがついていたのだ。
それでもまだ自分と戦っているのか、なにやら難しい顔をして考え込んでいる暦に、男は優しく手を差し伸べた。
「はい、どうぞ」
その手には、ごく普通のたいやきがあるように見えた。
おそるおそるそれを受けとり、じいっと見つめていた暦だが、やがて納得したように笑顔をみせた。
「あの、じゃ、いただきます」
そう要って勢いよく頭からかじった次の瞬間、暦の絶叫が空に響いた。
張り詰めていたゴム状の皮が破れ、中にパンパンに詰まっていたカスタードが暦の全身に降り注いだのである。
反射的に顔をうしろに反らすも、黄ばんだドロドロの液体は一瞬のうちに暦を襲ってしまった。
男は息をのんで、自分の熱くたぎる想いが暦を穢すのを見た。
「うわぁっ!」
もはや鯛の形をしていないものがべちゃりと地面に落ち、あわてふためく暦がそれを踏んでずるりと転んだ。
男もあわてて店を出て、呆然と地面に尻もちをついている暦の手をとる。
「早く、店の中に入って」
ヌルヌルになってしまったその手の感触に、男は興奮した。
- 297 名前: およげたいやき(3) 投稿日: 03/02/24 00:35 ID:8SNNosBt
- 店の中といっても、特に飲食スペースがあるわけではない。
大きな鉄板と炊事場の前に、休憩用の小さな丸椅子。横の机にラジカセと本が数冊置いてあるだけだ。
暦はその丸椅子に座らされた。
「ごめんね、ちょっと待ってね」
男はタオルか何かを探すふりをしながら、大量のカスタードにまみれた暦をちらちらと見た。
暦の口はもちろん、よく整えられていた長い髪のそこかしこにもべっとりとからみついている。
暦の視界を奪うように眼鏡を汚し、縁からぼとりと落ちて黒いニーソックスの色を変える。
頬からは顎をつたって、ふくよかな胸の谷間へと食指をのばすようにゆっくりと流れてゆく。
制服もスカートも靴もカバンも、暦のすべてが汚されてしまっていた。
「あつい……」
暦は上気して、軽く息を弾ませていた。
ハァと息をひとつつくたびに、粘液まみれの口の中からピンクの舌が顔をのぞかせる。
カスタードは男の計算によって、火傷などしない、むしろ心地良さを感じる温度に熱されていた。
その熱いヌルヌルしたものが、ニーソックスを通して閉じられた腿の間にぞわぞわと入りこんでゆく。
「ほんと、ごめんね。ちょっと待ってね」
暦はまだ呆然として、男の言葉にうなずくだけ。
その姿は、はしたなく汚されている自分をむしろ甘受しているかのように見えた。
「――女性にとって、甘いものはそれだけで媚薬」
男は暇つぶしに読んでいた本の一節を思い出して、唇をゆがめた。
「こりゃ効き過ぎだな」
- 298 名前: およげたいやき(4) 投稿日: 03/02/24 00:36 ID:8SNNosBt
- 暦の匂いが狭い室内に充満し、男はそのむせるような甘さに目眩していた。
それは、暦も同じだった。
うすく目を閉じうっとりと口の中のものを味わい、やがてこくりと飲み込む。
粘液が肉厚でやわらかな舌に運ばれ、喉の奥から食道を通って胃へと泳いでゆく。
その熱を全身に感じながら、暦が上目づかいに男のほうを見る。
「……おいしい」
そしてもっとそれを欲しがるように、舌先を出して上唇についたカスタードを舐めた。
「いくらでも、あげるよ」
男はすべってずり落ちそうな暦の眼鏡をはずし、横の本の上に置いた。
「その前に、その汚れた服を脱ごうか。ね」
そう言って暦の前にひざまずく格好になり、丁寧に両方の靴を脱がせた。
暦は従順に男に脚をあずけ、左のニーソックスが抜き取られるのをぼうっと眺めている。
晒された白い肌にすかさず粘液が流れ始め、ふくらはぎや足の指の間からどろりと垂れた。
男はそのまま暦の膝を折り、手をとって、暦自身に膝を抱えさせることにした。
椅子の上で、左脚の腿の裏側とふくらはぎが接してぐちゅっと音をたてる。
男はその、膝の下の谷間になった部分に指を入れてみたい衝動に駆られたが、まずは丸見えになったスカートの中味を堪能することにした。
左脚を垂れ下がっていた粘液が、今度は腿をつたって股間へと流れてゆく。
やがてそれがうすいブルーの下着に染みた時、暦がぴくんと体を震わせた。
「は、っ……」
熱く甘い空気のなかで、ふたりの息遣いは次第に激しくなっていった。
- 299 名前: およげたいやき(5) 投稿日: 03/02/24 00:38 ID:8SNNosBt
- 暦の下着を汚す液体の粘度は失われつつあった。
ひどい熱さのせいで噴き出す暦の汗が混じっていたからである。
もしかしたら暦の、汗ではない体液も。
暦は何かに耐えるように強く目を閉じて膝を抱え、その膝の裏が暦のかわりにぐちゅぐちゅ快楽の悲鳴をあげていた。
男はそのヌルヌルであふれた谷間に、中指を挿し込んでみた。
暦の脚のほどよく厚いやわらかな肉の感触が、男の全身にひろがる。
異物を感じた暦がさらに強く膝を抱くと、男の指はさらなる刺激をもって吸いこまれる。
顔を真っ赤にして激しく息を乱す暦の表情を見て、男はあやうく射精してしまいそうになった。
「気持ち、いい?」
男が尋ねると、暦はうすく目を開けて切なげに男を見た。
「痛っ……」
突然、暦が小さくつぶやいて手をほどいた。
「えっ、何」
「あいた、いたたたたたっ!」
そのつぶやきはやがて叫びとなり、暦はぎゅうぎゅうと目を押さえはじめた。
前髪についていたカスタードが、目に入ってしまったのである。
男はしかたなく、暦の手を引いて水道のところに導いてやった。
目を洗っている暦の背中を見ながら、男はふうと息をついて椅子に腰をかける。
そのまま窓を開けると、冬のつめたい空気がびゅうと入りこんできた。
「はい、これ」
顔だけはきれいになった暦に、男がタオルを差し出した。
「あ、どうも……」
目を赤くしながらごしごし拭いていた暦がやがて、自分の体のベトベトに気付いた。
それと同時に男との行為も思い出したのか、また顔が真っ赤になっていった。
「かっ、帰りますっ」
暦は声をふりしぼると、なんとか見つけた眼鏡をわしづかみ、靴とカバンを持ってあわてて店を飛び出した。
走り去ってゆく暦を見ながら、男は、ふたたび彼女がひとりでこの店にやってくる事を確信していた。
「……これは、その時に返してやるか」
暦の左脚のニーソックスを、男は机の引き出しにしまった。