
- 694 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:33 W/rYHbgo
- その日も当たり前の一日が始まり、終わるはずだった。――あの事件さえ起こらなければ。
その日、某市某所で銀行強盗が発生した。強盗犯は銀行員、警備員、顧客など4人を殺害、8名に重軽傷を負わせると、
郊外に逃走した。警察は直ちに市内数箇所に検問を敷いたが、後手後手にまわり、かえって窮鼠に迫る結果となった。
進退窮まった強盗は半ば自暴自棄になりながら、生徒を人質に取るべく付近の高校に乱入した。その日、風が穏やかな春の日だった。
「はい。じゃあ、ここをちよちゃん」
「…実をいうと、私はあまり彼女が好きではありません。」
「はい」
よくできました、というように、ゆかりは会心の笑みを浮かべる。
「この彼女とはつまり――」
「ちがうじゃん! 本だとナンシーだろ!?」
智がたまらず抗議の声を上げる。しかし、ゆかりは気にもしない。英語の授業だった。教科書のあまりよくない例文の、
人物名を智に入れ替えて遊ぶ、ゆかりがやりそうな悪ふざけだった。智がさらに文句を言おうとしたとき――
- 695 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:34 W/rYHbgo
-
引き戸が激しく壁を打って、戸口が荒々しく開かれた。教室の入り口に、コートに身を包み、
目深の帽子を被った男がいきなり現れた。生徒たちが突然の闖入者にざわめく暇も無く。
男は手にした銃の銃口を教室に向けた。衝撃が狭い教室を突き抜け、窓ガラスが霧を噴いたように粉砕された。
「うわああぁぁ!」
「きゃああぁぁっ!」
教室はたちまち混乱に陥る。
「動くんじゃねえ!」
男は獰猛に一喝した。大声で、しかもその教室の誰もが聞いたことが無いような、ドスの利いた調子だった。
パニックを起こしていた教室が、氷漬けにされたように静まった。
- 696 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:35 W/rYHbgo
-
「な、なんなのよ、あんた!?」
あまりのことに、パニックに引きつった顔でゆかりが叫ぶ。顔を向け、
女教師の成熟した肢体を見出すと、男はにんまりと唇を吊り上げた。
「ちょっと、ゆかり! 今の音は何なの!?」
開け放たれていた戸口に駆けつけた黒沢みなもが立った。男は弾かれたように後ろを振り向くと、銃身を水平に構えて、
何の躊躇も無く引き金を引いた。巨大な衝撃の塊が圧縮された空間から解き放たれ、みなもの肉体は文字通り弾け飛んだ。
一瞬の、あまりに一瞬の出来事だった。散弾はみなもの上体を勢い良く粉砕した。どさっと、廊下に肉片の塊が叩きつけられた。
「ひ、ひぃぃぃ!」
ゆかりが床にへたり込んで上ずった呻きを漏らした。生徒たちの中に他に声を出すものはいない。
冗談のような非日常が生徒たちを釘付けにしていた。教室を恐怖が支配していた。
- 697 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:36 W/rYHbgo
-
男は、大きな声で自信たっぷりに宣言した。
「これから、お前たちは俺の盾になる。一つ、許可なく動くものは殺す。二つ、勝手に口を開くものは殺す。三つ、その他、俺の癇に触るものは殺す。」
そういうと、男は教壇の真ん中にたって周囲を見渡した。
「おっ?」
男の目が、美浜ちよと書かれた名札をつけた少女にむけられる。
「おい、お前!」
ちよがビクン、と震えた。
「お前は何だ。どうみたってまだガキじゃねえか」
しかし、問われてもちよは応えることが出来ない。「あ…ぁ…」とかすれた声をだして震えている。
- 698 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:37 W/rYHbgo
-
「か、彼女は特待生で十一だけど高校に…」
ゆかりがたまらず口を挟むが、男は銃のストックで力任せにゆかりの頭を殴打した。
「あぐぅ!」
鈍い音がして、ゆかりは床に倒れこんだ。頭から血が流れている。
「うぅ…」
「勝手に口を開くなって言っただろうが」
言い捨てると再びちよに向き合う。
「ふぅん。特待生ねぇ。」
銃身を肩に担い、つかつかと、ちよの席にまで歩み寄る。ちよは、恐怖で顔面蒼白になっていた。
目が潤み、今にも泣きそうだが、あまりの恐怖のため声が出ない。
「つまり、よっぽど頭が良いってことだよな。ガキの分際で高校に入れるくらいだからな。天才ってことか」
皆が息を呑んで見守る中、震えるちよの前で、男は口の端を吊り上げた。
- 699 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:39 W/rYHbgo
-
「実を言うとよ、俺はお前みたいな頭の良い、優等生ってヤツは大っ嫌いなんだよ。昔っからな。
言ったよな、俺の癇に触るヤツはたとえ何をしなくても殺すって。――そういうわけで、残念だったな」
男が銃口をちよの頭にあてがった。
「やめなさい! 」
ゆかりが床に這いつくばったまま男の足もとにへばりついた。
男はカッとなって銃口をゆかりの頭に向ける。
「てめえ、勝手に喋るなといっただろうが。殺されてぇのか、オイ!」
「殺せば良いじゃないの!」
ゆかりは、泣いていた。涙を溢れさせて泣いていた。
「殺すならあたしから殺しなさいよ! あたしも殺せば良いじゃないのぉ!」
そこに、普段の破天荒で自己中心的なゆかりの面影は無かった。目の前で学生のころからの親友だったみなもを殺され、
今また教え子まで殺されようとしている。いつもの彼女は吹っ切れて、爆発寸前の感情が噴き出していた。ただ、子供たちを守ろうと、
これ以上誰も死なせはしないと、そのためには自分の命なんか惜しくないという想いだけがいっぱいだった。
- 700 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:40 W/rYHbgo
-
男は引き金に指をかけた。が、ふと思いついて、銃を下げる。
「へへっ、身を挺して生徒を庇おうってかい、先生。泣かせるねぇ」
「あっ!」
男はゆかりの腕を掴んでたたせると、乱暴に教壇まで引きずって行く。
そうして、教卓のうえにゆかりを押し込むように載せた。
「あうっ! ど、どうする気よ?」
「決まってるだろ。」
男は黄ばんだ歯を剥き出しにして、下卑た笑みを浮かべる。
「お前をぐちょぐちょに犯すんだよ。教え子どもの目の前でなぁ」
男が力任せにゆかりの服を引き裂く。ボタンがはじけ飛んで、ブラジャーがあらわになった。
「やああぁぁぁ!」
男はゆかりを裸に剥きながら、硬直して事態を見守り続けている生徒たちを振り向く。
「いいか、良く見ておけよ。お前らの先生の、一世一代、お涙頂戴の大濡れ場だ。」
- 701 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:41 W/rYHbgo
-
言い放つと、暴れるゆかりの顔に何発か平手を打ち込みながら、ついに最後の下着まで剥ぎ取った。
「いやああああぁぁぁぁ! あああああぁぁぁ!」
ゆかりが泣き叫ぶ。顔に手を当て首を左右に激しく振るが、男は無理やり手を掴むと、両手を封じる。
そして、自らもチャックを下ろすと、おもむろに陰茎をゆかりに挿入した。
「ひぐぅっ! ううぅ」
ゆかりが悲鳴ともうめきともつかぬ声を漏らす。
男は腰を前後にスライドさせはじめた。「ああっ、あっ」という呻きが絶えず続く。
やがてゆかりの女性自身が自らを守るために愛液を分泌させ始め、男の腰の動きに
合わせてピチャピチャという音を響かせ始めた。男はわざと結合部が生徒に丸見えになるようにする。
- 702 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:42 W/rYHbgo
-
「やめろぉぉぉ! この人でなし!」
そのとき、男子生徒が一人立ち上がった。一年のころ委員長を務めたひょろメガネだ。
男に向かって突進する。男は今セックスに夢中で銃を傍らにおいている。
だがしかし、男はすばやく体制を立て直すと、銃を手に取り、ゆかりに挿入したままで
銃を撃ちはなした。散弾がひょろメガネの顔面を打ち砕き、肉の塊に変えた。頭部を失った肉体は、
力が抜けたように膝をつき、前のめりに倒れた。丸めがねが宙を舞ってその上に落ちた。
「ああっ!? はあっ!」
銃の反動により、繋がったままのゆかりの膣内に強い衝撃が走った。
「どうしたい、先生? 感じてるのか?」
男が揶揄するように言う。ゆかりは歯を食いしばって、ただ泣いていた。
ボロボロと涙を流しながら、女教師のゆかりは生徒たちの目の前で犯され、
愛液を垂れ流し、接合部からは男のチ○ポが生々しく出入りしていた。
- 703 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/01 10:42 W/rYHbgo
-
その光景を、生徒たちはただじっと見守っていた。もちろん、普通なら、女子は顔を手で覆い隠してしまいたい衝動に駆られただろう。
しかし、恐怖が彼らを虜にしていた。下手な動きをすれば殺されてしまう。恐怖が神経を硬直させて、目をそらすということさえ出来なかった。
智も、暦も、ちよも、大阪も、榊も、神楽も凍りついたようにその光景をただじっと見ていた。
「ああ、イクぞ。イク、イクぅ!」
男は腰の動きを一気に加速すると、ゆかりの膣内に精を放った。
やがて、死んだように虚脱したゆかりから陰茎を引き抜く。
「はーっ、結構よかったぜ、オイ」
ゆかり身動きもしない。男は一人で満足げにうなずいていたが、再び教室の中を見渡す。
「ふんふん。何だ、粒ぞろいじゃないか。これは楽しめそうだ。オイ、お前!」
ひとしきり見渡すと、顔をこわばらせ体を凍りつかせたように見守っていた
女子たちの中で、ひときわ長身で黒髪の長い少女に声をかける。
「お前だよ、お前! そこの窓際の女!」
「あ…っ」
榊が硬直した体からわずかに振るえた吐息を吐き出した。
「こっちへ来い! 早くしろ!」
銃口を向けて恫喝する。榊はしばらく固まっていたが、言う通りにせざるを得ない。
青ざめながらも、どうにか毅然とした足取りで男の元へ出てきた。
- 720 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:33 bSyPrDzB
- >>694-703続き
男は榊の肉体を嘗め回すようにジロジロと見る。
「へ へ いい体してるじゃねえか」
自分の体に向けられた劣情を隠すことも無く露にする男に、榊は顔を朱に染めて俯いていた。
「お前、セックスの経験は?」
「……!」
「黙ってちゃ分からねえだろコラ」
男は銃口で榊の頬を二度三度叩く。それでも押し黙ったままの榊にいらついた男は
髪を乱暴に引っ張って顔を上げさせた。そうして、榊は泣きそうな顔でやっと、かすかに首を左右に振った。
「――ふん、まだってことか。おい、お前ら、この女、今どきまだ処女なんだってよ!」
男が生徒たちに呼ばわる。クラスの皆に自分の性体験について
告白させられて、榊は恥ずかしさと悔しさで震えがこみあげてくる。
- 721 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:34 bSyPrDzB
-
「オラ、お前は邪魔だ」
「ぐうっ」
男はぐったりしているゆかりを教卓から蹴落とすと、
自らが教卓の上に腰掛ける。そうして、榊の鼻先に一物をむいて突きつけた。
「しゃぶれ」
「……!」
突然鼻先にチ○ポをつきつけられた榊は顔を背け、逃れようとする。
しかし、男は髪の毛を引っ張って無理やり引き戻すと、銃口をちらつかせて恫喝する。
「とっととしゃぶれやコラ! 殺すぞ!」
- 722 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:35 bSyPrDzB
-
「……嫌だ! 撃ちたければれば撃て」
榊がはき捨てるように言い終わるや否や、男の鉄拳が飛んだ。
「あぐうっ!」
男は榊の髪の毛を掴んで何度も拳を繰り出す。
「かはっ…あぐぅ…痛い!」
「強情な女だな」
悶絶しながら、それでも拒絶して動かない榊をみて、男はこういった。
「そうか。じゃあ、お前の代わりにさっきのガキを殺そう」
「なっ!?」
「かわいそうに、お前のせいで死じまうんだぜ」
男が銃口をちよに向ける。
「やめろ! ――わかったから、言う通りにするから……」
榊はとたん哀願するようにいう。最後のほうは消え入りそうな声だった。
「へ へ」
男は目でさっさとしゃぶれと合図する。
- 723 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:35 bSyPrDzB
-
「……くっ」
榊はおそるおそる男の一物に顔を近づけ口をづけする。
強烈な臭気に顔を歪めた。肉厚の唇がチ○ポに触れた。
「そうだ。奥まで口の中に入れろ」
涙を頬から流し、顔をしかめながら、榊は男の一物に唇で触れ、咥え、飲み込んでいく。
さらに男の命令通りに顔を前後に動かす。
「へ へ、はじめてにしちゃ、うまいじゃないか。今度は舌先でなめろ」
男の一物は榊の唇に刺激されて、屹立を回復させていた。他の生徒が見られるように、わざと高い所に座ってのことだった。
大勢のクラスメートの視線が集中する中、いつも凛とした榊が生のチ○ポにフェラチオをさせられていた。 淫靡というよりは、
むしろ惨たらしい光景だった。
- 724 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:36 bSyPrDzB
-
「もっと吸い付くようにしろ。そうだ、いいぞ!」
じゅばじゅば、という音がして、口淫はますます滑らかになっていく。
唾液がチ○ポでふさがれた榊の唇の隙間からこぼれでて、か細い顎やうなじを通り、床に水溜りをつくっていた。
「おお、いいぞぉ!」などと、男が喜悦をあらわす。榊は涙を流して泣きながら、ただチ○ポを咥えて顔を上下させていた。
「おおお! おおお! おっおっおっ!」
昇り詰めかかった男は榊の前髪を掴むと、猛烈に前後にゆすった。
榊が、むせてくぐもったうめきを漏らすが、気にしない。
そして一気に絶頂まで駆け上っていった。
「うぶっ」
榊の口の中で一物がはじけた。口の中に精液が溜まっていき、こらえきれず、口からチ○ポがはずれる。
その顔に勢いよく白濁液が発射された。ザーメンが榊の顔に打ち付けられ、顔をべたべたにしていく。
- 725 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:38 bSyPrDzB
-
「ぐぶっ! ごほぉ!」
榊がむせて、口の中に注ぎ込まれたザーメンを吐き出そうとする。男は榊の髪を掴んだまま、荒々しくねじり上げた。
「吐かずに飲め!」
「いや…っ!」
榊は涙でいっぱいになった目で哀願するが、男は容赦しない
「そうか。じゃ、ガキを殺す」
「!…わかったから…やめて」
榊は男にみえるよう、一滴残らずザーメンを嚥下した。己が出したザーメンをのどを鳴らして
飲み干した榊に男は満足げに頷くが、榊は強烈な吐き気にむせこんで、咳をし始めた。
「うぐっ! ごぼごぼっ!」
男が髪から手を離すと、榊はついに、跪いて感極まって嗚咽をはじめた。そのまま声を上げて泣く。
- 726 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:38 bSyPrDzB
-
「あーよかった~! こいつ処女なのに自分から舌を絡めてフェラチオしてきやがったぜ」
そんな榊をニタニタ見下ろしながら、生徒たちの方へ向きなおって大声を上げる。榊が屈辱に身を震わせた。
「さて。さっきのガキを殺そうか」
男は銃を片手に立ち上がった。
「――! そんな、約束が違う!」
「いつ、俺が殺さないなんて約束した?」
男の、残忍そうに大きく裂けた口がつりあがった。
――そのとき、サイレンが鳴り響いた。正面玄関にパトカーが数台乗り上げたらしい。
- 727 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:39 bSyPrDzB
-
「サツが来やがったか」
男は窓辺に向かって様子をみる。
(――いまだ!)
神楽は音をたてないように席を立った。彼女はずっと機を窺っていたのだ。
親友の榊が辱められているときはずっと歯軋りをして見ていた。そうして、なんとか銃を奪えないかチャンスをまっていた。
男はいま後ろを向いている。神楽は、気づかれないようにゆっくりと、男の方へ歩みを進める。
ある程度まで近づけば、一か八かのタックルをかける。たとえ気づかれても2、3メートルまで迫れば、
男が振り向くのと、神楽が男に飛びつくのと、わずかに神楽の方が早いという自信があった。そうして腰に
渾身の体当たりをかけ、そのまま男を押し倒して銃を奪う。
- 728 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:40 bSyPrDzB
-
生徒たちはその動きを息を殺して見守っていた。クラスで1、2を争う運動神経の彼女なら、
もみ合いになっても十分勝算はある。さらに、辱めから解放された榊に目で合図を送る。
榊は涙をふきながら、コクンとうなずいてスタンバイした。もみ合いになれば、すかさず榊が加勢に来る。
男は地上の様子に気を取られ、後ろを振り向く気配は無い。あと、4、5メートル。
いける! 誰もが思った、そのとき――
「へーちょ」
滑稽な音が静寂に響いた。大阪のくしゃみだった。いつもは笑いの種である奇形じみたくしゃみ。
しかし、この場では洒落にも冗談にもならなかった。男はとっさに振り向いた。
神楽がダッシュをかける。――だが、間に合わない。
- 729 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:41 bSyPrDzB
-
男の体まであと数十センチというところで、銃が発射された。衝撃で、神楽の体が反対側に跳ね返された。
神楽の体は、自分で飛んでいたため相殺されて、あまり飛ばずにそのまま垂直に床に落ちた。
散弾は下腹部から恥骨のあたりに命中して、肉がはじけた。
「ぐぼぉ! おぐぅお!」
目をむき、酷く顔を歪めて、神楽は悶絶し、床の上を飛び跳ねた。ちぎれかかって下半身から
分離しかけた下腹部から、ピンクの大腸やら小腸やらがちぎれて飛び出し、ぴちゃぴちゃと新鮮に跳ね回っていた。
「うああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
榊が立ち上がり、男に突っ込む。男まで、あと少し。しかし、榊の瞬発力を
以ってしても届かなかった。男の散弾が下を狙って放たれ、榊の右足が弾け飛んで転がり落ちた。
「ぐおおおおおっ!」
榊の足は太ももで切断されていた。動脈から大量に血が噴き出す。あの俊足だった榊は、もう、二度と走ることが出来ない。
剥き出しになった切断面は、骨、女性の平均よりも厚い筋肉、それに脂肪が同心円状に層をなし、血が止めども無くあふれ、
その有様は人間の足というよりは肉屋の店先にならんでいる肉の塊のように生々しく、新鮮な感じさえした。
- 730 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/04 16:42 bSyPrDzB
-
男は地獄の苦痛の中にある二人を放っておいて、ちよの方へ歩いていった。
ゆかりが、榊が、神楽が命がけで守ろうとしたちよの方へ。途中、大阪の隣を通り過ぎるとき、
「ありがとよ」と一礼して頭を吹っ飛ばした。脳漿の飛まつが硬直したちよの顔にかかった。
「お待たせ」
男はちよの前に立った。
その日、事件は最悪の形で結末を迎えた。警官隊の突入がはじまり、男は壮絶な銃撃戦の末射殺された。
しかし、教師二名と人質に取られた生徒たちは、警官が踏み込んだときには既に全員が殺害されていた。
その日、風の穏やかな春の日だった。
<終>
- 848 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 17:55 oT4sbubx
-
(注意!! グロ・レイプ・スカトロ嫌いの人は読まないほうがいいかもしれません。また、神楽好きな人にも推奨しません)
「榊ってさ、どうしてそんなに猫が好きなんだ?」
問われて榊は神楽を見上げた。さっきまで、うずくまり、少し涙目になって猫に噛まれた手を押さえていた。
「――どういったらいいのかな……。かわいいのも勿論ある。だけど、生き物全てが好きなんだ」
少しはにかんだ様に微笑んだ。
「一生懸命生きてるものって素晴らしいと思う。無邪気で素直で、生きることに一生懸命で……。
猫のそういうところに魅かれるのかな」
榊は空を見上げながら、歌うようにいった。
「命ってそういうものだから。どんなときでも生きるっていうことは、とても素敵なことだから」
「ふーん」
神楽は少し潤んだような目でそんな榊を見つめていた。
「まっ、触ろうとするのはほどほどにしておきな! 生傷が絶えないぜ!」
バン、と榊の背中を叩く。「それじゃな」と分かれ道で駆け出した。
(あたしはお前のそういうところが好きなんだぜ、榊)
- 849 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 17:56 oT4sbubx
-
しばらく、歩いていた。桜並木が心地よい。やや、ごみごみした界隈を通り過ぎたときである。
ふと、何かの悲鳴を聞いた。
「――何だ?」
コンクリート塀の隙間の、裏路地に続く道。悲鳴らしきものはそっちから聞こえた。
「みい! みい~!」
男が数人いた。耳・鼻にピアスをし、金髪・茶髪に髪を染め上げ、だらしなく伸ばしたり、立たせたりしている。
男たちの中心に子猫がいた。靴底に踏みつけられた子猫が。
「サッカーしようぜ、サッカー!」
「お、いいねそれ」
「その前に、逃げないよう足へし折っておこうぜ」
「ヤニの火で目を潰すってのはどうだ」
みぎゃあ、と再び悲鳴が上がった。
- 850 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 17:57 oT4sbubx
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「やめろ! お前ら!」
神楽は大声で怒鳴りつけていた。男たちが一斉に振り返る。
「あぁ? なんだてめえコラ」
「おう、俺たちになんぞ用かや」
神楽は、一瞬、後悔した。男たちはどうみてもまともな人間じゃない。
タチの悪いチーマーの類だった。だが、勇気を奮い起こす。
「そんなちっちゃな猫虐めるなんて最低だぞ。すぐに離してやれよ!」
神楽は榊の言葉を思い出していた。
「そいつは生きてるんだ。生きてるんだぞ。一生懸命息生きている命は、
おもちゃになんかしていいものじゃない!」
男たちはしばし互いに顔を見合わせ、やがて大声で笑い始めた。
「ひゃはははは、聞いたか、オイ!」
「かっこいいね~、ねえちゃん」
「マジうける~」
- 851 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 17:58 oT4sbubx
-
ひとしきりにゲラゲラ笑うと、そのうちの一人、大柄なのが近づいてくる。
「へへ。なんだお前、けっこういい体してるじゃねえか。
どこの学校だ? そんなことよか、ちょっくらそこまで付き合えよ」
一人が神楽の体に手を伸ばした。神楽は反射的に男の頬をはたいていた。
男たちが凍りつく。ぶたれた男の顔が烈しく歪んだ。
「てめえっ ざけやがって!」
男が拳を振り上げる。相手が女だということを忘れたのか、そもそも女だからといって容赦するつもりは無いのか、
腰をため、渾身の力を込めて拳を振りぬいた。あたっていれば女性の繊細な顔など潰されていただろう。
しかし、神楽はそれを軽いフットワークでかわすと、男の側面にまわりこんだ。男の拳は虚しく風をきり、虚空に舞う。
勢いで前のめりにつんのめり、ゴミ溜めに頭から突っ込んだ。運悪く、足元に段差があったのだ。
- 852 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 17:59 oT4sbubx
-
「…………」
男は、しばし頭をゴミ溜めに突っ込んで、逆さに突っ立てられていた。
智がいれば「聖剣エクスかリバーだ! ぎゃはははっ!」などと腹を抱えて大笑いしていたことだろう。
他の男たちもしばし呆然として見ていた。だが、やがて我に戻る。
「この……糞アマがぁ!」
「ぶち殺すぞクラァ!」
逆上して神楽に向かってかかってきた。神楽はビクッ、と身構えた。と、そこへ――
「おい! お前らなにをしている!」
振り向けば、自転車に乗った制服警官が遠くから、こちらへ駆けつけてきている
- 853 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:00 oT4sbubx
-
「やべえ、チャリだ」
「ずらかろう」
口々に叫ぶ。
「……ただじゃ済まさねえぞ」
ゴミ男がそう言い捨てた。男たちは一目散に逃げ出した。
「……ふう。助かった」
神楽は安堵に胸を撫で下ろした。内心、恐怖でいっぱいだった。
だけど、口と体が先に動いてしまったからし方がない。
みい、と足元に例の子猫がじゃれついてきた。神楽は子猫を抱え上げた。
「良かったな、お前。もうあんな奴らにつかまっちゃダメだぞ。――あはは、くすぐったいって」
子猫は神楽に頬擦りした。晴れた、風の気持ちいい日だった。
――それが、神楽にとっての地獄の始まりだった。
- 854 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:01 oT4sbubx
-
「榊~、今日も一緒に帰ろうぜ!」
「ごめん、今日は用事があって、一緒に帰れないんだ」
榊は本当にすまなそうという顔をする。
「そっか、残念だな……。ま、いいや。またな!」
神楽はかばんを片手に元気良く教室を飛び出した。
(今日は部活ないし、どうしようかな。デパートの自転車売り場でマウンテンバイクでも見てこようか)
校門からでてしばらく歩いたときだった。いきなり後ろからエンジン音が轟いた。
普通に、道路を走っていたものではない。隅に隠して停めてあった状態から急発進させたものだ。よける暇もなかった。
「ぐふっ!」
神楽の体は2、3メートルは吹っ飛ばされた。何度か地面を転がしながら
バウンドして、そのまま動かなくなる。黒塗りのバンから、男が何人か降りてきた。
- 855 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:01 oT4sbubx
-
どれだけ気を失っていただろう――
朦朧とした意識に衝撃と激痛のひびが入った。
痛みと顔を打ちすえる振動が神楽の意識を暗闇からうつつに引き戻した。
「ううっ……」
「オラ! 起きろ!」
男がさらに数発、神楽の顔をぶつ。
「痛い! やァ……」
男たちが神楽の服をひき裂きにかかる。事情が分からず、混乱した頭の神楽は必死に暴れた。
すると、男たちは、今度は握りこぶしで神楽の顔を殴りはじめた。
「があっ! ぐっ! ぐぎゃ!」
「大人くしろやオラ!」
「おい、顔はよせよ。萎えるだろ」
「少々かまわねえよ」
「ひぐぅ!」
- 856 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:02 oT4sbubx
-
苦痛と恐怖に耐えかねて、神楽はわけも分からず身動きをやめた。
血の臭いがする。神楽は鼻血を流していた。背中からも鈍痛がする。激痛で目頭が熱くなった。
「ううっ……」
やがて、視界が涙にぼやけてながらも、苦痛の中、ようやく幾分か周りの状況が分かってきた。
神楽は荒縄で拘束され、男たちに囲まれていた。体をきつく縛られ、両手は後ろ手に、足はひざを曲げ、
股を開くような格好で胴体に固定されている。そんな格好で床にころがされた自分を、五人の男たちが見下ろしていた。
――あのときのチーマー連中だった。
「よお。あのときは随分ナメたマネしてくれたよな」
大柄の、眉毛の無い男がいう。神楽に転ばされたゴミ男である。
シンナー臭い息が神楽の顔にかかった。
「俺をコケにして無事で済むとは思っちゃねえだろ?」
男の口の端が歪められた。
神楽は自分のおかれている立場を理解した。みるみる顔が青ざめていく。
「いや、いや……助けて……!」
へへへっ、と男たちは下卑た笑みを浮かべた。神楽は、普段の溌剌とした勇気のかけらも無く、
一人の、少女になって怯えていた。そんなしおらしげな様子に男たちの情欲と加虐心が掻き立てられる。
- 857 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:03 oT4sbubx
-
「それじゃ、犯っちまおうぜ」
「や、やめて! やめてぇっ……!」
神楽は首を振り振り泣き声を漏らすが、神楽は殴られるのが怖くて暴れることは出来なかった。
男たちの腕が前に突き出たような胸のふくらみを剥き出しにし、スカートをめくって、下着をナイフで切り開いた。
神楽の、やや大きめの乳輪や、肉の花びらが剥き出しにされ、男たちの視線にさらされた。
「いやだああぁぁ! やああぁぁっ! 見ないでぇ!」
神楽は、いつもの男っぽい口調は消えうせ、涙声の、哀願するような弱弱しいものに変わっていく。
だが、無論、だからといって、男たちが手を緩めるはずも無い。
男の一人が指を二本まとめて挿入した。
「あふう!」
乾いた秘所を男のガサガサした指が無理やりねじ入った。
特に抵抗はなく、奥まで貫き通される。
「おい、こいつ経験済みたいだぜ」
「いかにもヤリマンって感じだもんな」
神楽は屈辱に唇を噛み絞めた。小麦色の肌のため遊んでいる女のように見られることは
よくあった。初体験も中学のときに済ませてはいる。だけど、そんな外見と体だけで淫らな女に
思われるのが悔しかった。
- 858 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:13 oT4sbubx
-
「ううっ、ぐうっ……」
男の指が膣内を掻き回す。敏感な膣内をいじられ、強い刺激に体をねじらせるが、
男たちは五人がかりでしっかりと神楽の体を固定して離さない。
「こんなヤリマンにはいきなり生チ○ポ使ってやる必要ねえよ。
こんなもんを使ってやろうぜ」
男の一人が道具を手にとった。アダルトビデオなどでよくみる、ペニス型をしたバイブレーターである。
男は指を引き抜くと、やや狭い膣内の抵抗を受けながらも、ねじ込むように神楽のマ○コにバイブを差し込んだ。
「あっ! はあっ」
バイブが栓をするように根元まで差し込まていく……。
「オラ、咥えろ」
「ぐぶぅっ!」
今度は別の男が、チ○ポを無理やり神楽の口に押し込んだ。
神楽の赤い肉厚の唇にこすられながら、男のチ○ポは喉の奥までねじ込まれていった。
別の男はあいている神楽の手のひらに自分のペニスを握らせる。
「ぐぶっ! ううっ!」
そのままの状態で、男たちはしばらくバイブの挿入運動と強制フェラ・手コキをしていた。
神楽の体が間断的に軽く痙攣しはじめ、バイブのスイッチが入れられた。
- 859 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:13 oT4sbubx
-
「ぐぶうっ! うぶうっ!」
膣内に振動が走り、神楽がビクンと体を痙攣させて反応をはじめる。
次第に、意思に反して、声に甘い響きがまじってくる。
「どうした 感じてるのか?」
男に一人が揶揄するようにいうと、下卑た笑い声が挙がった。
神楽は涙を流し、快楽に耐えるため必死に全身に力を入れ、力もうとするが、まるで体に力が入らない。
ただ、チ○ポで閉じられた唇に、たまにできた隙間から、湿り、潤んだ喘ぎが漏れるのみだった。
バイブの挿入運動が行われるたびに、バイブレーターから枝分かれしたはさみ状の突起が神楽のクリトリスを
はさみ上げるようにこする。
そのたびに神楽のビラビラはひくひくと痙攣し、ヴァギナの奥から湧いてくる熱い液を垂れ流しにした。
いつの間にか、体をゆすってしていたささやかな抵抗も、やんでしまっていた。
「おい、こいつ濃い汁出し始めたぜ」
「オラ、もっとしっかりしゃぶれよ」
「うぶっ! うぶうっ!」
男のチ○ポを口いっぱいつめられた神楽は、はじめその臭気で気が変になりそうだった。
だが、心は拒絶しているのに、神楽の体は、その強烈なオスの臭いに欲情し始めた。
“おんな”の部分をいじくりまわされ、複数の指に、道具に、こねくりまわされ、
どうしようもなく躰がうずき始めていた。神楽の“おんな”はどうしようもなく“オス”を欲しがっていた。
- 860 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:14 oT4sbubx
-
「そろそろ、モノホンを入れてやるか」
神楽の女性をなぶっていた男は、バイブを引き抜くと、既に怒張し反り返った己の剛直をつきこんだ。
「はあっ!」
神楽の体が跳ね上がり、その拍子にしゃぶらされていた別の男のチ○ポが抜ける。
「今度はこっちをしゃぶれよ」
「ぐぶっ!」
すかさず別の男が神楽の口を塞ぎ、挿入した男は猛烈にピストン運動をはじめ、
神楽の内奥めがけて激しく腰を突きこむ。
「こいつ、自分から舌を絡めてきやがったぜ」
「オラ、もっと手でしごけよ」
「うぶうっ! うぐう!」
神楽は体中に肉棒を突き刺され、悶絶していた。何本もの肉棒が彼女の体に押し付けられ、
何本もの指が神楽の体をまさぐり、つまみ、握り、こすりあげた。心とは裏腹に、神楽の肉体は悦び、
男たちを受け入れた。いや、心までも男たちを受け入れた。快楽に侵食されて。いつの間にか、
もっと犯されることを望んでいた。そうして、一歩一歩、昇りつめていった――――。
- 861 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:15 oT4sbubx
-
「うおおっ、いくぞ、いく、いくっ!」
男が腰を猛然と前後にゆすり、絶叫を上げた。一方、フェラチオをさせていた男も、同じく絶頂を迎える。
咥えさせられたチンポを、いまや、神楽は自分の意思で舌を絡めていた。二人の剛直は同時に弾けた。
「ぶぐっ! うぶうっ!」
神楽の膣内に、口に、大量のザーメンが流し込まれた。女陰がザーメンとマ○コ汁が混じったものでいっぱいになり、
口の中を生臭い液体が満たしていく。それと同時に。神楽も何人もの男に責められる悦びの中、絶頂を迎えた。
ビクン、ビクンと激しく痙攣し、跳ね、そして弛緩した。神楽は絶頂のかなた、理性も意志も吹き飛んでしまっていた。
力がぬけた口は拒絶しようともせずにそのまま、注ぎ込まれたザーメンを飲み干し、チ○ポが抜かれた後の口は
閉じられずに半開きのままだった。そこから唇とチ○ポの間にはザーメンと唾液の糸が引いた。
「はあっ、結構よかったぜぇ! こいつのマ○こ!」
「フェラもよかったぜ!」
「次は俺に代わってくれ!」
「オレ、パイズリしようっと」
すぐに他の男が、虚脱した肉体にむしゃぶりつく。神楽の膣内は精子を中だしをされていたが、
しかし、それにかまうこともない。中出しをした男がリーダー格だったため文句を言えないのもあるが、
みな見境なく欲情していたのもある。
- 862 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:17 oT4sbubx
-
「ひぐうっ!」
立て続けに挿入され、神楽の体が再び痙攣した。イッた直後の敏感なクリトリスが刺激され、
体が激しく跳ねる。ようやく栓をぬかれた口からは喘ぎが漏れるが、すぐに別の男根にふさがれた。
こうして、陵辱はやむことなく続けられた。
「ひぐぅ! またイクぅ! またイクぅ!」
神楽は絶叫していた。自ら求めて。
「もっと、もっとぉ!!」
輪姦は終わりがないかのごとく続いた。神楽は一匹のメスに成り下がっていた。
クライマックスを迎えていたのだ。やがて、迎える死を前にした――
男たちは神楽を陵辱した後も、解放するつもりはなかった。その時点では、
明確に犯行の意思があったわけではなかった。後にそれは裁判の焦点となる。
男たちは神楽を拘束したまま、帰っていった。神楽が犯され、身動きできないように縛られて放置されたのはプレハブ小屋である。
五人のうち一人の親が所有しているものだった。いつも溜まり場にされていたその場所は、もともと人気のないところにあり、
その手の少年が大勢集まったところで、また、少々の悲鳴があがったところで、怪しまれることはなかった。
男たちは翌日から同じチームをはじめとする連中を呼び込んだ。噂はチーマー仲間たちの間にたちまち広まり、
何十人もの人間がプレハブ小屋に詰め込んだ。――神楽を犯すために。
- 863 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:18 oT4sbubx
-
「あひぃ! ひい!」
歓喜のなか、神楽の精神は確実に蝕まれ、壊されていった。
何百回と犯されたヴァギナは擦り切れて、ほとんど感覚がなくなっていった。
肉体が摩滅し、損壊していくに並行して、今度は苦痛が精神にひびを入れるようになった。
日常的なレイプは刺激を欲する男たちによって、ただの強姦とは異なる種のものへ変貌し、エスカレートしていった。
……監禁され、レイプされ続けている間、神楽にはザーメン以外にろくな食事などは与えられなかった。
水をわずかばかり飲ませるくらいであった。その代わりに、面白半分のは暴力は恒常的に加えられた。
神楽の顔は見る影もなく腫れ上がっていった。
「……食べ……もの……食……べ……も……の……」
「うっせーんだよ、メス豚が!」
男が神楽の腹に蹴りを入れた。何度も、何度も、狂ったように。
拘束されてはいなかったが、もう、立ち上がる気力も体力もない神楽は、
腹を蹴られると横になったまま痙攣し、内容物のない吐瀉を続けていた。
顔だけでなく、体中が青黒く腫れ、ひどい内出血を起こしていた。
最近では痙攣も弱弱しくなってきた。監禁七日目のことである。
- 864 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:19 oT4sbubx
-
「そんなに喰いてえんなら、これでも喰えや」
男は、裸ではいつくばる神楽の前に紙皿を差し出した。
――紙皿には排泄物が載っていた。この男が出したばかりの黒々とした糞が。
「ヒャハハハハ、それ最高!」
男たちはバカ笑いを続けた。だが、笑い声はすぐに止んだ。
――神楽は本当に食べたのだ。男たちの糞を。
神楽は皿に盛られた排泄物に顔を埋め、むしゃぶりつくように喰らいついていた。一心不乱に貪っていた。
腫れ上がり、神楽とはとても見分けがつかなくなった顔から、そのつぶれかけた目から、
止め処もなく涙が溢れていた。体に残されたわずかな水分を搾り出すように……。
一瞬の間をおいて、派手な哄笑が響き渡った。これまでで最高の大爆笑である。
- 865 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:20 oT4sbubx
-
「こ、こいつ、マジで喰いやがったぜ、マジでうんこ喰ってやがるぜ! マジキモーっ!」
「ギャハハハハ! ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ! い、いや、よく言うじゃん、ほらあれ、究極の選択。
うんこ味のカレーパンか、カレー味のうんこパンか、どっちかってやつ!」
「アンパンマンがうんこ喰ってるってか! もうサイコー」
「ヒィ――ッ! ヒィ――ッ!」
その「アンパンマン」は男たちの言葉を聞いてはいなかった。
いや、もう聞くことが出来なかった。ただ、思い出していた。あの人の言葉を――
潰された顔の奥で、ただ、あの人だけを想っていた。鈍くなる皮膚感覚の上を走る涙をぼんやりと感じながら、
ただ、あの人だけを想っていた。それだけが、楔となって彼女の命をつなぎとめていた。
「命ってそういうものだから。どんなときでも生きるっていうことは、とても素敵なことだから」
- 866 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:21 oT4sbubx
-
哄笑が続く中、突然、ノックがした。男たちの間に弛んだ緊張感が広がる。
ヘラヘラと、扉に向かった。――だが、直ぐに恐懼することになった。
「ほーい、誰だ?」
「警察だ」
「!!」
男たちは凍りついた。全員頭が真っ白になり、立ちつくす。
ドンドンと戸が叩かれ、「早く開けろ」と怒鳴り声がする。
慌てて神楽の体を物陰に隠した。それが精一杯だった。
制服警官がプレハブの入り口に立っていた。
「ど、どうしたんすか、おまわりさん」
「この辺でチーマー風の若者が騒いでるという通報が入った。
お前らシンナーでも吸ってるんじゃないだろうな」
「とんでもない! そんなもの吸ってないっすよ。なぁ」
他の男たちが相槌を打つ。平静を装ったその顔の裏には凍りつきそうな冷や汗が流れていた。
「ちょっと、中をみさせてもらうぞ」
- 867 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:22 oT4sbubx
-
警官が中に踏み込む。乱雑な部屋に顔をしかめながら見渡す。
神楽が隠されている机の後ろからは、警官の顔がはっきりと確認できた。
腫れ上がり、盛り上がった窪みに、小さな裂け目が開いているだけとなった神楽の目にも、
その警官の顔がはっきり見えた。押さえられ、口を塞がれた神楽に自分の存在を知らせる術はない。
しかし、狭い部屋内の全てを警官が点検するのは時間の問題だった。
警官が、体を曲げ、神楽のいる物陰を覗こうとする。男たちが息を呑んだ。そのとき――
「みぃみぃ」
警官は振り向いた。子猫が入り口の近くにいた。――神楽が助けたあの子猫が。
乱雑な部屋にうんざりしていた警官は、そのまま、そこを調べずに立ち上がった。
そうして部屋を出て、立ち去っていった……。
神楽の心はこのときに死んだ。
- 868 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/14 18:22 oT4sbubx
-
――監禁より二週間後、ほとんど口を開くこともなくなった神楽は、急にひどく水を欲しがった。
仕方なく男たちが飲ますと、やがて神楽は眠るように息を引き取った。
もっとも、その死に顔は安らかなものとは程遠く、腫れ上がり、生きながら爛れ、蝿が群がっていたその顔は、
生前の彼女を知っているものなら、だれもがそれが彼女だとは信じられないほど酷い有様だったが。
男たちは殺害した神楽の遺体を自宅の焼却炉で何度も繰り返し焼却し、証拠隠滅を図った。
しかし、元々、杜撰極まりない犯行であった。何より、一回きり彼女を強姦した者まで含めると、
実に二百人を越える人間が事件に関与していた。隠しおおせる訳がなかった。
犯人の少年グループはほどなく逮捕された。少女失踪事件発生から一ヵ月後のことである。
……やがて少年達の審判が始まった。拉致段階での殺意の有無が取りざたにされ、
事件の残虐性にも関わらず、少年法の適用により量刑は驚くほど軽かった。
主犯格の無職少年は二年十ヶ月、他の少年らは一年六ヶ月の懲役でそれぞれ少年院を出所した。
事件は少年法の分厚いヴェールに阻まれ、マスコミの俎上に載せられることもほとんどなかった。
地元の消息筋によれば、犯人グループの少年たちは今も反省の色がまったくみられず、笑い話の種にすらしているという。
ちなみに、「被害者少女A」の同級生で友人だった少女が事件を苦にして自殺したと報ぜられたのはその一週間後のことである。
- 6 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 03:57 K7F3WWJL
- (鬱系が嫌いな人はスルーを推奨します)
心配はしていた。だけど、想像だに出来なかった。ありふれた日常の裏で彼女の身に何が起こっていたかなど。知る由も無かった。
「神楽、いったいどうしたんだろう……」
「大丈夫ですよ、神楽さんはきっと無事に帰ってきますよ」
慰めるための言葉だとは分かっていた。だけど、訳もなくそうと信じた。信じたかった。
神楽を、いつも元気よく自分のもとに駆けてくる神楽を、面には出さないけれど、他のみんなのように、
いや、他のみんななんかにはまけないくらい、誰よりもずっと、神楽を愛していたから。
だから、きっと無事でかえってくると信じた。信じたかった。
- 7 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 03:57 K7F3WWJL
-
「今日はみなさんに、悲しいお知らせがあります」
ゆかりの様子は明らかにいつもと異なっていた。その顔は表情を押し殺したように不自然に強張っていた。
皆は最初、それはがいつもの不機嫌のためだと思っていた。
「――今朝、警察から神楽さんが亡くなったと知らされました」
教室が水をうったように静まった。
「ちょ、ちょっと、ゆかりちゃん、いくらなんでもそーいう冗談はやばいよ。教育委員会に訴えられるまえによしなって」
「冗談でこんなこというわけ無いだろう! バカか、お前は!」
ゆかりの顔がくしゃりと歪んだ。必死に押さえていた激情が噴き出して、涙が、溢れだした。
- 8 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 04:00 K7F3WWJL
-
「本当に神楽は死んだのよ。あの子は死んでしまったのよおおおっ!!」
「あ……そんな、うそでしょ? だって、そんな……」
その瞬間、頭が真っ白になった。いつの間にか涙がポロポロと流れていた。
みなが、少しずつ、事情を飲み込んでいく。そして、それが事実だと悟っていく。
榊は、涙を流していた。ゆかりの、嗚咽まじりの話を聞きながら、歯を食いしばり、
顔はいつもの凛とした表情で、ただ目からは涙を流していた。ただ悲しみに打ち震えていた。
そのときは、心の片隅で親友を失った自分は不幸だとも思っていたのだ。だが、しかし――
- 9 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 04:02 K7F3WWJL
-
(そんな! じゃあ、あんなこと言ったせいで――)
警察の事情聴取で知った。彼女が子猫を助けようとしたために、犯人グループに狙われたことを。
榊は自分の体が落ちていくのを感じた。絶望の底へ。
部屋で榊は泣きじゃくり、嗚咽していた。クッションにしがみついくようにして嗚咽していた。
(私、バカだ。本当にバカだ。神楽が死んで悲しいのは自分だ、つらいのは自分だなんて思っていた。
でも、私だったんじゃないか。全部、全部、私の)
「私のせいだったんじゃないかああああああああああああああああっ!」
- 10 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 04:05 K7F3WWJL
-
いっそ狂ってしまいたかった。狂ってしまえたら、この苦しみから解放されると思った。神楽のことを、思い出さないで済むと思った。
「神楽……ごめん……ね……ごめ…ん……ね……ぇ……」
思い出が、ともに過ごした思い出が、何度も浮かび上がり、胸を苛める。彼女の笑顔が。
「よぉ あんたとは一度ちゃんと話してみたかったんだ。……もしかして、私おぼえてない? まあいい! とにかくライバルだ! よろしくな!」
「おーし 榊! 今日も勝負だぜ!」
「いやー 花なんか全然わかんなくてさー ひまわりと朝顔くらいなら」
「そうだ! 二人でぬいぐるみつくろう! つくれないって? そんなの私もだから気にするな! 心がこもっていれば大丈夫さ!」
「へー 猫によくかまれるのかー よし! 榊に近寄る猫は全て追っ払ってやる!」
- 11 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/15 04:07 K7F3WWJL
-
榊は机の引き出しから一本の道具を取り出した。――カッターナイフを。
(こうするしかない。こうするしかないんだ)
「ごめん……ごめんね……神楽」
榊は喉にカッターナイフを突き立てた。
- 29 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 09:57 b+HjxWMR
- >12
夢を見ていた。漂いながら。
「ここへ来たのかね」
ふと、どこかから声がかかった。
「きみもここへ来たのかね」
気がつくと奇怪な生き物が浮かんでいた。鈍く耀くように。闇の中に。
「はい、私にはもう、理由がありませんから」
榊はこなれたように返事をした。
「そうか。それなら、それでいいさ。――だけど、彼女はここにはいないよ」
急に胸が締め付けられた。そして痛んだ。
「なぜなんですか!? なぜ!?」
「自分の胸に訊いてみたまえ」
突き離すように言い放つ。
「私が、私が悪いからですか? 私を、私を憎んでいるから……」
静かに首を振った。
- 30 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 09:58 b+HjxWMR
-
「きみも知ったろう。それが、どんなありさまだったか」
「いや、いや」と榊は首を振る。
しかし、彼は容赦はしなかった。それどころか激発していく……。
「目をそむけるんじゃない!!」
耳がつんざくような大声で雄たけびを上げた。その体は橙色から赤色へと急変し、表面がうねった。
「これを見ろ!」
挙げた片手から、空間がねじれ、光とともに鮮烈な映像が投射され、溢れかえった。
「ああっ! やめてえっ!」
そこには神楽が写されていた。陵辱され、虐待され、破壊され、徐々に腐っていく神楽が。
「ああああっ!! いやあっ! 見たくないっ! 嫌だ嫌だ!」
必死に目をそむけようとする。耳を塞ぎ、かぶりを振りつづける。
だが、映像は虚空からねじれ、意識の中へ直接注ぎ込まれた。
神楽が味わった14日×24時間=336時間=20160分=1209600秒の地獄が一瞬で榊の脳を突きぬけた。
「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
――彼女の身に起こった全てを。
- 31 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 09:59 b+HjxWMR
-
「――分かったかね」
やがて声がかかる。上も下もない中に倒れ臥し、顔を俯かせている榊に。
「……どうすれば?」
彼女を知る誰もが聞いたことのないような声だった。
底知れぬ深さをたたえた響きだった。
呟くその顔からは表情をうかがい知る事が出来きない。
その裏で、何が蠢いているかを。
「……鍵は意外な人物の中にある。忘れるな。隠しポケットだ」
それだけいうと、猫の奇形のようなその物体は背中を向け、遠ざかっていく。
背中が小さくなっていくにつれて、その世界は色あせるようにフェイドアウトしていった。
――榊は病院のベッドで意識を取り戻した。
刃先はわずかに急所を逸れており、一命を取りとめていた。
意識を取り戻したばかりの耳元には妙にぼやけた物音が響いてくる。
……あの夢は、死のはざまでみた夢は、榊の記憶と無意識が、壊れかかった肉体と精神が、
その死を予感してつくりあげた幻に過ぎなかったのか。
あるいは――――。
だが、彼女にとって今そんなことはどうでもよいことであった。
彼女の内にある種の感情が凄まじい奔流となって吹き荒れていたから。
今まで一度も抱いた事がなかった種の――
- 32 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 10:00 b+HjxWMR
-
「――…して、やる」
感情が
「一人も、逃さず」
静かな
「じわじわと、肉体を、切断して」
むしろ、歌うような
「時間をかけて、たっぷりと、分解して」
うっとりと
「手足をもぎ、目玉を抉り、鼻を削いで」
陶酔するように
「最後の、最後まで、じっくりと、地獄の苦しみを」
恍惚にふけって
「あいつらを」
絶頂を――
「――――殺してやる」
あるいは、やはり榊は死んだのかもしれなかった。
- 33 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 10:01 b+HjxWMR
-
「私をこんなところに呼び出して、何の用かね」
例の口は、あんぐりと開け放たれている。
「はっ!? もしかして、告白!?」
「――先生。もう、そういう『ふり』はしなくていいんですよ」
木村はそれには答えなかった。
「単刀直入に。あなたには復讐を手伝っていただきたい」
「何を言っとるんだね、君は」
榊は平然としていた。表面だけはいつもの彼女だった。
だが、その表情の奥底には、明らかに異質な「何か」が凝っていた。
声は明るく透き通っていた。
「神楽を手に掛けた連中を皆殺しにします。あなたに協力していただきたい」
「……君は、どうかしてしまったようだな」
木村は頭に手を当てる。
「まあ、友達があんな目にあったんだ。無理もない。色々とつらいだろうが、君に必要なのはゆっくり休むことだな」
「フフ、先生」
榊はさえぎる様に言う。
「私は、『ただの教師』のあなたに頼んでいるんじゃないんです――」
じっと、真正面から、木村の目を見据えながら。
「K国工作員であるあなたに頼んでいるんです」
- 34 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 10:03 b+HjxWMR
-
部屋が凍りついた。急速に膨れ上がった殺気によって。
「私を殺せばあなたも破滅ですよ!」
木村の動きがわずかにぶれて止まる。榊は間をおかず二の句を継いだ。
「私の身に何かあれば、あるところに隠した証拠が公安に届けられるようになっています」
依然、固まっている木村に、一語一語、叩きつけるように。
「あなたは、長年かけて作り上げた、身分と、人間関係と、家族と、その全てを失い、到底、逃げ切れられはしない」
体育倉庫にしばらく静寂がたちこめた。それを破ったのは『木村』だった。
「――いつ、気づいた」
氷のような声だった。榊の冷えきった声音よりも。底冷えするような。なおさらに。
「ごく、最近」
応え、語り始める。
「前から、違和感は感じていたんだ。あなたの喋り方はときどき、シラブル同士のつながり方が微妙に裏返っていた。
これは閉音節語の話者が日本語のような開音節語を喋るときにありがちな特徴だ」
「…………」
- 35 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 10:04 b+HjxWMR
-
「そう考えると、あなたがしばしば上げる素っ頓狂な奇声も、気違いじみた言動も、それを紛らわせ、
目立たなくするための芝居ではないかという気がしてきた。まだ、そこまでなら突拍子もない空想に過ぎなかったのだけど。
――乱数表がでてきましたよ。かばんの内側に縫いつけてある隠しポケットから」
ヒラヒラと、紙切れを宙に振った。
「ラジオ暗号を照会していたんですね。あと、白い粉も取ってあります」
「クックックッ、ヒヒヒヒ……」
くしゃり、と『木村』は破顔した。
「たまらんなぁ、良い! 実に良いよ、君!」
熱に浮かされたような、そんな感じだった。
「――で、それで僕にどうしろと!?」
どっか聞いたセリフだな、と思いながら答えた。
「私に殺人術を教えてください」
『木村』が弾けたように笑い声を上げた。
- 36 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/16 10:04 b+HjxWMR
-
「殺人術! 殺人術だと!! ククッ、フ――ッ、ククク!」
そうやってしばらく体を震わしていた。
「ヒヒ、ヒヒヒ、いやぁ、人間変われば変わるもんだねぇ」
ふと、笑いが凍りついた。
「――だがな、そんな事をすれば当然、私のリスクは非常に高いものとなる。目的もはっきり分からず、
ハッタリかどうかも分からない君の脅しに従うのと、君をここで始末して逃走するのと、どっちがよりリスクが低いと思うかね」
『木村』のメガネが無機質に光を放った。
もし、彼女がわずかでも怯えたそぶりを見せていたなら、即座に殺されていただろう。
しかし、榊は泰然として答えた。まったく動じる気配など見せないで。
「勿論、報酬も用意する」
こともなげにいった。
「――私のこの体を」
- 55 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:03/12/17 02:00 3ubyPF2P
- >>36
「待ってください!」
振り返ると、ちよが駆けつけていた。膝に手を突き、荒い息を吐きながら、榊を見上げた。
「どうして、どうしてですか? どうして何も言わずに言ってしまうんですか?」
「…………」
「先生から榊さんが学校をやめるって聞いて、どこかへ働きにいくんだって……
どうしてなんですか? どうして、私たちに何も知らせずにいってしまうんですか!?」
「ちよちゃん」
榊は静かに首を振り、ちよに諭すように言った。
「大した事じゃない。いつでも、また、会えるさ」
心にもないことを。
「――もう、時間なんだ。さよなら、ちよちゃん」
榊が背を向ける。
「行かないでください!!」
ちよは泣いていた。ポロポロと、大粒の涙をこぼして泣いていた。
「あなたまでそんな遠くに行かないでください!!」
榊は体をビクン、と振るわせた。しかし、もう振り向くことはなかった。
長い黒髪を揺らしながら、榊は歩み去って行った。
――それがちよと榊の、今生の別れとなった。
「――来たか。行こう」
榊は黙ってその男の背中に従う。
ふと、上着のポケットに違和感を感じた。そこには、ねここねこのぬいぐるみが入ってあった。
――あの日、神楽の地獄が始まったあの日、神楽の誘いを断って、買いに出かけたぬいぐるみが。
「おい、どうした。行くぞ」
榊はぐしゃっとぬいぐるみを握りつぶした
(フフ、あたしには、もう――)
ねここねこが乾いたアスファルトの上に転がった。
<終>
- 75 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:40 JSjtfBdL
- >55 (注 意 グ ロ )
――それから、三年が過ぎた。
「ヒャハハハ、あんときは最高だったな、おい!」
小汚い部屋に酒の空き缶と菓子の袋が散乱している。
「いや~ん! キモーい!」
「ヒャハハハハハ! やめてえ~! 死ぬぅ~!」
「今、思い出しても腹痛え~!」
「少年Aら五人」はみな少年院を出所していた。
そして、以前と何一つ変わらぬ日常を送っていた。
むしろ、以前より威勢がよくなりさえしたようだった。
「しっかしよ、あの件で俺らもハクがついたって感じじゃん」
「おうよ、無敵よ。何せ、俺らは『殺し』のムショ帰りだぜや」
一人がさも得意げにいう。
「まったく、ハッタリは利くは、お咎めはなしだは、マジ面白かったぜ。またやりてえな~」
「バッカ、おめえ、もう少年法は適用されねえだろ」
「アンパンマンでも殺したら罪になっぞ!」
再び、大爆笑が巻き起こった。
夜中だというのに大声を外まで響かせて、五人は腹を抱えて笑い転げていた。
- 76 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:41 JSjtfBdL
-
「――ヒッッヒッ…… ん? そういや、ヤニが切れてるんだったな」
大柄の男が思い出したように声を上げる。
「オイ、おめえ買って来いや」
「ええっ!」
声をかけられた一人が不満の声を上げた1。
「もう遅いしよ、ここらだと自販機しか開いてねえぜ」
「いいから行って来いやコラ」
「…………」
やや、貧相なその男――さしずめ『少年E』か――は、立ち上がった。
狭い木製の階段を下り、靴が脱ぎ散らかされた玄関から暗闇の底にでた。
夜は、まだ、身を切るように冷たかった。
「チッ めんどくせえ」
だが、従うよりほかにない。
彼はグループの中でもパシリに近い地位にあるのだから。
黙々と歩いた。
月明かりが煌々と照らす夜だった。
しばらく歩いたその先に――
- 77 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:42 JSjtfBdL
-
「――何だ?」
幽鬼のような、女が一人佇んでいた。長い、黒髪の。月明かりに照らされて。
……男は憑り付かれたように見とれてしまった。月を背に白く映えたその顔は、髪は、肢体は、
この世のものとは思えぬほど美しかったから。女は、じっと、彼をみつめていた。
まるでここに来るのを予め知っていたかのように。その女がゆっくりと、近づいてきた。
男は動くことができなかった。声もでず、じっと、立ち尽くしていた。
長い、黒髪が、揺れて、月影にぼんやりと霞む姿は、幻想的ですらあった。
――やがて、女が目の前にまで来る。そして、為す術もなくたつ男を、女の腕がやわらかく包み込んだ。
ぞっとするほど美しかった。艶やかに微笑んだ。月の光に照らされて。ナイフを突きたてながら。
「!……ぐぼっ……ほっ……!?」
声が出ない。刃は背中に深く沈みこんでいる。
それにも関わらず。肉の奥で刃先が傷口を拡大するようにこねくり回された。
「ぎっ……ひぃ……っ……!」
男の顔が烈しく歪む。しかし、口からはかすれた吐息が漏れるのみだった。
すると、不意にナイフが引き抜かれた。とたん、激痛が走った。
「……っ!!」
彼は、苦痛に涙しながら、半ば恐慌をきたして駆け出した。
- 78 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:42 JSjtfBdL
-
(ひいっ! 痛いいいい! それに、息が……息がァ……!)
往く当てなどない。ただ、後ろから迫ってくる恐怖に駆られていた。足音が……女が追ってきている!
走った。体中が沸騰したように、血管が膨らんだ。酸欠が脳を直撃した。
倒れなかったのは奇跡的とすらいえる。結局、その人生で最大の努力は男にとって地獄を長引かせるだけとなったが。
「たす……け……っ!!」
ボックス型の公衆電話だった。本当なら20メートルほど手前にあるさきほどの自販機の横にも公衆電話はあったのだが、
そんなものは男の目には見えていない。ボックス内に飛び込んだ。あれに駆け込めば助かる!
(ひゃ、百当番! 百当番!)
急いで受話器を手に取った。手に取ったその親指にナイフが突き立てられた。
「ッ!!……ぎぃっ!」
肉厚の刃は骨まで貫き徹していた。親指が受話器からもげて、ぽとりと床に落ちた。
(あうぅ……助け……)
男の背中に激しい衝撃が走った。もんどりうって、頭が電話の本体に突っ込んだ。
電話機が頭を直撃し、そのまま、狭いボックス内に倒れ臥す。立ち上がる力はもうなかった。
どの道、肺に穴を開けられては声を出して助けを呼ぶことは難しかったろうが。
「たす……け……て……たすけ……てよお……おおおぶおおおおろおおお」
男は泣きじゃくり、涙・鼻水をたれながら哀願していた。見下ろす女の顔は陰になってはっきり見えない。
やがて、無言のまま踵を返した。結局、止めをさされないで放置された男は死ぬまでにたっぷり十分間は窒息した。
痙攣が緩慢な死を演奏した。
月明かりが死に降り注いでいた。
- 79 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:43 JSjtfBdL
-
血が、酔いをもたらしたのか。
思い出していた。初めてあの男に抱かれたときのことを。
震えていた。
かすかに。
怖かったのではなく。
せつなかったのでもなく。
人形のように横たわりながら、ただ、かすかに、震えていた。
男の指が体に触れる。
はじめはかすかに、愛撫は徐々に露骨なものへと、全身をまさぐり、
舐めまわし、しゃぶりつくしていく、吐息が、漏れて、震えた。体の底が、潤んだ。
「――ククッ、淫らだな」
麻痺した心にも、その言葉が胸に突き刺さった。どこかひとごとのように。裏腹に、肉体は徐々にたぎり、紅潮してくる。
固く結んだ実が弾け、内奥からはっとっくに露を溢れかえらせていた。
「くぅっ……は……ぁ……」
男の指は、別の生き物であるかのように蠢いた。その度に、男の背中に爪を立てて息を弾ませた。
いつのまにか洪水のように溢れかえってきた。蕾が摘まれ、体がビクンと跳ねる。蜜がトロリと溢れてくる。
瞳からも、一杯に湛えたものが溢れかえろうとしていた。前触れもなく男が突き破って入ってきた。
「あうっ! はあっ!」
処女を散らされたのは悔しくなかった。未だに生きている自分が憎かった。
あの人を追いやっておきながら、のうのうと生きている自分が許せなかった。
息づいている、自分の体が許せなかった。
「あうっ! ひいっ! イッ、あっ……!」
男が前後に動くその動きに合わせて、体が痙攣したように跳ねる。その間も、男の指先は体中をまさぐり、いじくり、弾いた。
そのたびごとに、息が震えた。だらしなく開いた口からは涎がたれて流しになっていた。
男はそんな自分を見下ろし、からかうような口調で声を上げる。
- 80 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/19 03:44 JSjtfBdL
-
「いいんだろう? 感じているんだろう? もっと、もっと欲しいんだろう?」
「…………ッ!」
声に顔を背け、歯を食いしばった。悔しかった。為すすべもなく翻弄される自分の肉体が。
思うにまかせぬ体が憎かった。だが、男は余裕に満ちた仕草で動きを加速していく。
「はうっ! ああっ! 駄目ぇ……っ!」
うねりがどんどん大きくなってくる、やがて……
「駄目、駄目、そんな、駄目ぇ……っ!」
狂ったようにかぶりを振る。頭が白くなっていき、意識が弾けていく
悦びに打ち震えている自分の肉体が許せなかった。唯、それが、許せなかった。
「あっ、あっ、あっ!」
(いやだ! いやだ! 私は、私は……)
彼女の体がひときわ大きくうち震えた。
「あっ、あっ、あっ、ああああああ――――――っ!!」
――潤んだ瞳から、涙を、零しながら
- 101 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:53 SbF9By8r
- >>75-80 (注 意 グ ロ )
「おい、何であいつ戻ってこねえんだよ」
「さあ」
三人とも首を傾げるばかりだった。
あの晩、例のパシリはタバコを買いに出たまま戻ってこず、翌日になっても姿を見せなかった。
「めんどくさくなってフケやがったんじゃねえの」
三人は揶揄するように顔を見合わせる。
「洒落になんねえぞ、コラァ!!」
薄ら笑いが凍りついた。大柄の男の手でビール缶が握りつぶされる。
「あのバカ見つけたら俺のとこまで引きずって来いや」
「ったく、何だってんだろうな、あのバカ」
外に出るや、一人が口火を切った。
「おうよ、フケやがるとはな。ざけてんじゃねえのか」
三人は口々に罵り声をあげた。既に、男はフケたのだということになってしまっている。
別にリーダー格への忠誠心が篤いという訳ではなかった。
三人ともグループの中で敵を設ける事によって得られる奇妙な連帯感に酔いしれていた。
元々、五人がつるむようになったのは、学校で同じ相手をイジメていたことによる。
イジメられた青白い青年はせっかく面白くなってきたところで自殺してしまったのだが。
- 102 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:54 SbF9By8r
-
「じゃ、俺ら帰るけど、あのバカみつけたらとりあえずシメとくわ」
「オウ、徹底的にやったれや」
そういうと、彼らは二手に分かれた。二人が左手に、一人だけが右手に行く。
右手に分かれた男――さしずめ『少年B』――は、黙々と歩きながら、
ポケットに突っ込んだ手を思い出したように出して、タバコに火を点けた。
「クソ、寒みぃな~」
ぼんやりと、街灯が浮かび上がらせる夜の道は、底冷えするほど寒かった。
もう、季節は暖かくなっているはずなのに。
まるで男の周りにだけ冬が立ちこめて、トンネルの先に覗かせた春を覆い隠してしまったようであった。
ふと、見上げると、月が暈をかぶって天に輝いていた。
月は満ちつつあった。
「ん?」
顔に、何かがかかった。ぽたりぽたりと、はじめはかすかな滴が、次に大粒の珠が。
「チッ、急に降出しやがった」
急いで、人気のないバスの停留所に駆け込む。春雨ではない。
一過性の、スコールのような通り雨だった。
降っては止み、降っては止み、近頃多い気がする。
地球温暖化とやらのせいだろうか。
そのとき。
- 103 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:55 SbF9By8r
-
――甘い、香りがした。芳しい花のような。視界の端に、黒い艶やかな髪が揺れた。
慌てて振り向く。
誰かが後ろに立っていた。
「……!」
女だった。暗くてよくは見えないが、それだけは分かった。
その女が黙って何かを投げてくる。――人形だった。
何かに齧られたように、手足がもげかかっている。
人形の顔には写真が貼り付けられていた。
男の顔写真が。
「なんだてめえ? なんのつもりだ?」
影は答えない。闇の奥でせせら笑っているようだった。
「……畜生が」
男はポケットに手を突っ込んだ。そこには、メリケンサックが隠してある。
その冷たい金属の感触を確かめて、男の心に落ち着きと自信が湧き起こってくる。
何者かは知らないが、自分にアヤつけたのは馬鹿だとしかいいようがない。
ケンカには自信がある。男はグループでもナンバー2の実力であり、場数も相当踏んでいる。
女だからといって容赦はしない。見れば、背こそ高いが、華奢な体つきだ。
顔が脹れるまで殴って、たっぷり身の程を思い知らせてやる。
「死ねやああああああっ!!」
- 104 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:55 SbF9By8r
-
――月は中天から沈みかかっていた。雨は、いつの間にか止んでいる。
男は哭いていた。ドブ臭い地面に顔を浸して。
腫れ上がり、パンパンに膨れた顔からは涙・鼻水が垂れ流しになっている。
「やめてぼおおお! ぼうっ(もう)、許してぇえええぶえっ!」
女は息ひとつ乱していない。その靴がメリケンサックを嵌めた手のひらにかかった。
「ぐぷぽおおおおおおおおおおおっ!」
メキメキという音がして、手のひらが砕けた。男は全身で痙攣して泣き叫んだ。
転がりまわる力もなく、ただ地面に臥して泣いた。意識を失う前に、女が近寄ってくるのが見えた。
その顔が、かすかに……。
- 105 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:57 SbF9By8r
-
気がつけば、四角い、立方体のような部屋にいた。
「ぐぶ……っ……」
始めは何かの窪みのようにみえた。やがて天にかかる陰は夜の闇ではなく、暗い、コンクリートの天井だと気づいた。
鼻が曲がるような臭気がした。汚水が満ちている。その中央にせりだしたように正方形の足場があった。
足場は、細い回廊を通じて、薄暗い階段へと続いている。男はそこに転がされていた。手足をきつく縛られている。
「!!」
汚水の中で、何かが蠢いている。男の涙に霞む目にもはっきりと見えた。
――赤く光る無数の目が。
「へぶぅ……ぶぶ……」
男は、必死に足掻くが、立ち上がるどころか身動きすらとれない。
バシャバシャという音をたてながら大群がこちらに泳いでくる。
一匹一匹が小さなウサギくらいある。ドブ鼠である。
「た……すけ……たすけ……」
目の前の闇に人形が佇んでいた。例の、人形が。
それが男の網膜に焼きついた最後の映像となった。これから齧られる網膜に。
絶叫が、狭い空間に木霊した。
- 106 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:58 SbF9By8r
-
――闇、か。
「怖いだろう」
耳元に吐息を感じた。目隠しをされ、手足を縛られながら。
「真っ暗闇というのは」
男の指先が乳房をかすった。触れるか触れないかの強さで。何度も。
「ん……」
体がよじれる。不安と恐怖の中で溺れそうになる。その指先がいきなり乳首を摘んだ。
「はあっ!」
体が弾んだ。露骨に接触し、音を立てて啄ばみだした。白い肌が急速にピンクに染まっていく。
体が熱をもつ。悦楽を知ってしまった、体が。そして、次にくる刺激を待って震えていた。
気づいていた。視界を塞がれた中、いつもよりまして、愛撫を欲しがっている体に。
「ふっ……く……ぅ……」
指先が太ももを撫で回す。やはり、触れるか触れないかの強さで。
ねっとりとした密が奥から溢れ返り、入り口を押し開けていく。
自分から腰を動かし始めたとき、頂点に結んだ真珠に指が押し当てられた。
- 107 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 07:59 SbF9By8r
-
「あはぁっ!」
ひときわ大きく体が跳ね、震える。それに併せて、男の責めは下に移っていく。
必死にこらえようとする意志は溶けて消えてしまった。あとに残された。
堪えるふりだけして、愛撫を悦んでいる自分だけが。
悔し涙だけが罪深い肉体に対する唯一の弁解だった。
「ああっ! やっ……駄目ぇ!」
いつにもまして執拗だった。体がつっぱったように痙攣する。
鋭すぎる刺激にのたうちまわり、喘ぐうちに、息がどんどん苦しくなって来る。
それでも、その指は容赦しなかった。
「あっ、はあっ! おねがいっ、おね……がい……もう……ああっ!」
「もう、何かね……?」
歯を噛みしめた。紅潮したその唇に指がつきこまれる。
「は……っ」
親指が唇をこねくり回す。歯の隙間から息が漏れた。
「もう、何かねと聞いている」
「…………ッ!」
「まあ、いい」
男が哂った。嘲るように。指が糸をひいて唇から離れる。
- 108 名前:くろまんが大王 投稿日:03/12/23 08:01 SbF9By8r
-
「ん……」
男がのしかかってきた。拘束された体に男の体重がかかってくる。
恐怖で咄嗟に股を閉じようとするが、下肢は足首のところで大きく股を開くように固定されていた。
前触れもなく男が侵入してくる。
「はあっ! ああっ!」
男は慣れた腰遣いで前後に動き始めた。
長い髪が蛇のようにベッドの上をのたうちまわった。
「ククッ、君も大分素直になったね」
「――――ッ!」
「恥ずかしがることじゃないんだよ」
「あっ、はあっ! ああっ!」
男の息も次第次第に喘ぐようなものに変わっていく。
接合はどんどん滑らかになっていき、動きはますます激しくなる。そして――
「出すよ! いっぱい、君の口にだしてあげるからね!」
「ああっ! 駄目、駄目ぇっ!」
駄目押しのように、男の恥骨が陰核に押し当てられた。
「あっ、あっ、あああああああ――――っ!」
瞬間、体が弾けた。男は素早く差し込まれた杭を抜くと、彼女の顔にまたがった。
半開きにされた口に、熱い白濁液が注ぎ込まれる。
「んんっ……んぐ……」
頭が真っ白になっていく――。
大人しく、喉を鳴らして飲み干した。死んだようにぐったりしながら。
唇の隙間から、飲みきれない精液がこぼれた。
- 162 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:56 HbJyUPJo
-
「おい、どうなってやがるっ!」
「知らねえよ」
「あ?」
男の顔が強張った。
「誰に口聞いてんだ、お前……?」
二人がビクッと震える。震えるが、睨んだ。
「あんたのせいじゃないかっつうんだよ」
「――何だと?」
一瞬、口ごもった男を制するように、一気にまくしたてた。
「あんた、近頃はヤバイ筋との付き合いがあるっていうじゃねえか。関係あるんじゃねえのか」
もう一人が続く。
「絶対、可怪しいじゃねえか。大の男が二人も消えうせちまうなんてよ。
こりゃあもう、ガキのケンカとかのレベルじゃねえべよ」
「…………」
「あんたは街のバカに顔利かせてお山の大将のつもりか知らねえが、調子にのりすぎなんだよ」
立ち上がる。
「俺たちは勘弁させてもらうぜ。あんたの傍は危なすぎるからな」
「てめえ……」
「あんたとは危ねえハシ何度も渡ってきたが、これまでだな」
もう一人が、立ち上がる。あとには、乱雑な部屋に、大柄の男だけが残された。
「少年C」と「少年D」は離脱したのだ。したつもりだった。
- 163 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:56 HbJyUPJo
-
「おい、これからどうするよ」
「身を隠すしかねえだろ」
ほとぼりが冷めるまで、どこかでやり過ごせばいい。それだけだった。また、それ以外に手がなかった。
警察に相談してみたところで、普段から住所不定の二人である。すぐに動いてくれそうにもない。
CとDは警察に頼ることを恥とは思わない。昔は女子高生をさらって虐め殺したこともあるが、それは過ぎたことだ。
たかがそれくらいのことで自分たちの「人権」がなおざりにされるなど、許されていいはずがない。
それが民主主義というものだろう。
とはいえ、さすがに地元の管轄署に顔を出すのは気が乗らなかった。
そうかといえども、消えた二人の親は厄介払いができたと悦ぶくらいだから、
行方不明の捜査依頼をだしてくれるのは到底望めそうにない。つまり、警察はあてにならないのだ。
だが、なに、心配ない。覚醒剤関係でトラブルを起こしているのは自分らではなく、あくまで「少年A」である。
どこかへ隠れていれば問題はない。問題は、トラブルが終わった後、Aが無事に生き延びたときだが、
そのときはそのときで対策を考えればいい。向こうは一人ぼっちだ。とにかく死んでくれることを祈ろう。
- 164 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:57 HbJyUPJo
-
「よし、入ろうぜ」
そこは寂れた所にあるプレハブ小屋だった。――神楽が二週間に渡って監禁された小屋である。
一時は立て壊すことになり、中は整理されてしまっているが、結局、金がもったいないということで放置されていた。
中はがらんどうだが、ヒーターと毛布を持ち込めばどうということはない。当分の食料もある。
二人は、蛍光灯を付けると、カップめんをすすった。
「おい、勃ってきちまったよ」
一人が歯クソだらけの歯茎を剥き出しにした。食欲が満たされるにつれ、昔、この部屋で犯した女子高生を思い出したのだ。
逸物がむくむくと頭をもたげてくる。腹のあたりにナイフで「肉便器」とえぐって、何度も何度も排泄したっけ。
下卑た笑い声は直ぐに凍りついた。――明かりが、消えたのだ。
復讐者の少女にしてみれば、ここまで予想通りに動いてくれるとは、気楽過ぎて欠伸が出そうですらあった。
三人組になった場合、強い方の一人が孤立すれば比較的分裂しやすいものだ。
そして、分裂した一派がどこへ隠れるかも容易に予想がつく。彼女は長い時間をかけて五人の身辺を調べつくしていた。
一部は、例のつてで得た後ろ暗い興信所にも依頼してある。そのためにかかる莫大な経費は自分の腎臓を売り払って賄った。
少女は皮肉に唇を歪ませた。奇しくも、この場所で。
ショーの始まりである。
- 165 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:57 HbJyUPJo
-
「お、おい! どうなって……」
ガタン! ガタ、ガタ!
「な、なんなんだ!?」
物音は、小屋の後ろの方だ。どうも、窓のあたりらしい。
「に、逃げよう!」
Cがドアノブに飛びついた。扉の向こうで何が待っているかも知らずに。
「誰か、たすけ……!」
夜気が顔に触れる。息を荒くして。冷たい外気を吸い込んだ。飲んだばかりの喉に、ナイフが突き立てられた。
「ぐぼぉっ!? ほ……っ……」
Dが見ている前で、Cは体を突っ張らせ、ひくひくとデス・ダンスを踊った。
恐怖の絶頂に歪んだ顔は間もなく石のように固まって、永遠に凍り付いてしまった。
まずはうるさく大声を出せないようにしただけなのに。
やや肥満気味のCは声帯を切られてショック死してしまったらしい。
なんとも味気ないが、物足りないむごさはせいぜいDの痛覚を刺激して皺寄せさせてもらおう。
- 166 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:58 HbJyUPJo
-
「きやああああああっ! ふああああっ!」
バカ丸だしという形容がぴったりの喚き声でDが騒ぐ。騒ぐが、逃げ場はない。
戸を閉めると、ノブに簡単にトラップを仕掛けた。これで、逃げることは出来ない。
そして、唯一の明り取りが閉鎖された。外界の光は完全に断ち切られたのだ。
黒いウエットスーツに身を包んだ死が闇に溶け込んだ。
「うぼおおおおおおおっ!! くるな、くるなじょおおおおおっ!」
拳をぶんぶんと振り回し、触れる物を手当たり次第投げつけ、暴れまわった。結界を張っているつもりらしい。
振り回す手先にアーミーナイフの刃先を合わせてやる。指が何本か弾けとんだ。
「ふびょおおおおおおおおおおおおおっ!」
少女の夜目にはよく見える。Dは手を押さえて泣き喚いているが、まるでこちらが見えてないらしい。
身をかがませると、今度は後ろから踵を切ってやった。刃先は数センチほど、めり込んで、骨にまで食い込んだ。
「ぎいええええっやああああぼおおおおおおおおおっ」
男が転倒した。
- 167 名前:くろまんが大王 ◆jHCuM/6C1s 投稿日:03/12/28 13:59 HbJyUPJo
-
「助けてええっ! 痛いよう、痛いよおおおうっ! お母ちゃあああああん!」
必死に、ドアの方へ這いずっていく。アキレス腱を切断したのによくやるな。
わざと、ゆっくりと追いかけてやる。足音は男のすぐ傍まで追いつく。Dは泣きじゃくり、必死で逃げた。
数メートルのレースがDにとっては42,195キロのフルマラソンにも匹敵しただろう。
一応、努力は報われた。あと一歩というところで、戸口に辿り着いたのだ。
やった、助かった……!残った指の手でノブに手を伸ばした。地獄に垂れ下がった蜘蛛の糸に。
その手がボンと弾けた。
「ごぼおおおおおおおおおおっ!」
残った指がウインナーソーセージのように弾けとんだ。もう、これで両手はお好み焼きのコテになってしまった。
それだけではない。金属やドア材の破片が眼球を潰している。
破片はまんべんなく、まるでサボテンの棘のようにDの顔に食い込んでいた。
その、泣き叫ぶ頭をむんずと白い手が掴みあげた。
6時間。
男が死ぬのに要した時間。
「神楽ぁ……かぐら……ああっ」
濡れそぼった音が響いた。日課となった自慰も、あと一回きり。
****************************************
(次回更新で完結)
(グロ嫌いな方はもうしばらくご辛抱を)
- 218 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:11 nUj3A9GI
- >>162-167続き
満月の、煌々と。底にわだかまる。闇の、底。
「てめえ……」
男が荒い息をつき、少女の前に立った。
「ああ、あれね」
その少女、いや――榊――が、足元を指差した。そこには何やら焦げたものが土に雑じって散らばっていた。
「焼却しといたよ、覚醒剤500グラム。末端価格にして500万円くらいかな」
「てめえええええええぇぇぇぇぇぇっ!」
拳が、ぶんと空を切る。
「殺してやる、殺してやるぅ!」
男は狂乱していた。東京湾に沈むのが確実なのだから当然だろう。だが、その拳は虚しく空を切るのみだった。
それに合わせ、榊は舞うように揺らいだ。一挙手ごとに黒髪が宙を舞い、その都度、男の顔面が削られていった。
二人は果てしなく踊り狂った。
……情熱的なダンスが終わる頃には、男――『少年A』――の顔は、原型を残さないまでに潰されていた。
- 219 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:11 nUj3A9GI
-
「ぶぐっ、ぶひいっ……」
ああ、と溜息が漏れる。
「ねえ、もう終わりなの?」
「ぐぶぼおっ!」
「つまらない、つまらないな……」
顔面にめり込んだ膝頭が離れると、男は膝を突き、そのまま崩れ落ちた。
そうして、痛みにこらえかねえぐえぐ泣き始める。あまりにあっけなさ過ぎた。
「もうちょっと、タフだと思ったのにね」
深呼吸、一つ。ああ、これで最後だよ、神楽。今、最後の一人を地獄に送るからね。
あなたを手にかけた屑を最後まで苦しめて殺してあげるから。
見上げる夜空から目線を下ろし、泣きじゃくっているはずの男を一瞥――あれ?
男は跳ね起きて榊にしがみついていた。ナイフは脇腹に突き立てられている。
「えっ……?」
焼け爛れるような熱感が染みた。こほっ、と血を吐いた。
- 220 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:12 nUj3A9GI
-
「ヒャッハァ――ッ!! 死ねやあああああっ!!」
男は、動けないようがっしりと榊の体を抱きすくめると、腹の中でナイフを動かした。
「あぐうっ! ああっ!!」
か細い体が男の腕でビクビクと痙攣する。
「バーカ、油断しやがって。てめえも犯しながら殺してやる」
醜く顔を歪ませて、男は勝ち誇った笑みを浮かべた。
「まずはこのでかい乳を抉り取ってやる。楽に死ねると思うなよ!」
そのとき。男の目の前で何かがぶれた。視界が、暗幕を掛けられたように閉ざされた。
「ぎゃあああああああああっ!?」
指先に掴まれた目玉が男の眼窩から勢いよく飛び出した。崩折れる、その後を、視神経が電線のように伸びる。
「ぎえええええええっ!? 痛えよおおおおおおおおおッ!! 目が、目がああああああっ!」
「――……い、だと?」
「ぐぼおおおおおおっ!!」
男の側に、死が降り立った。刃先は腹部の奥深く突き刺さっている。
「痛い、だと?」
「ぐぼおおおっ!! やめて、やめてえええええっ」
- 221 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:13 nUj3A9GI
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「こんなものが、痛いだとおっ!?」
「ぐぎゃあああああっ!! お願ひ、やめてええええっ!!」
「神楽の受けた苦しみはこんなものじゃなかった、こんなものじゃなかったんだあっ!!
思い知れええええええええええええええっ!!」
「ぐぽおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
絶叫が夜空に響き渡った。はらわたを露出させた男は、何度か激しく痙攣し、緩慢に地面にへばり付いた。
血が噴き出しては肉塊に降りかかり、盛り土に転がった犬の糞のように、土くれと雑じって地面に黒々とした染みをつくった。
榊は、荒い息を突きながら立ち上がった。途端、脇腹に激痛が走る。
「ぐうっ……!」
傷口からはどくどく鮮血が溢れかえってくる。その都度、激痛とともに少女の命は蝕まれていく……。
「神楽……」
(私、これでよかったんだよね――?)
「――御目出度う」
不意に声がかかった。
- 222 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:13 nUj3A9GI
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そこには、例の男が佇んでいた。
「先生……」
「ククッ」
その顔がぐしゃりと歪められた。分かっている。男が何をするつもりか。
抗う力は残されていない。そのつもりも、もう、なかった。
「これでよかったのかね?」
「……え?」
意外な言葉に声が漏れた。男が近づいてくる。ゆっくりと、一歩一歩。
「これで本当に、神楽君は喜ぶのかね、と聞いているのだ」
胸がきつく締め付けられるように感じた。
「自分の人生を犠牲にし、優しさを捨てて鬼になった君を、果たして神楽君なら喜ぶのかね」
(そんなことは、分かって……)
「君を愛していた神楽君が、そんなことを君に望むはずがないということは、
君にだって分かっていたはずだよねぇ。じゃあ、どうしてなんだろ」
(私は、私は、ただ……)
「僕は思うんだけどねぇ。夢のお告げとやらも、君の心が生み出した幻に過ぎないんじゃないかなぁ」
「!!」
- 223 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:14 nUj3A9GI
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「何ということはない、君は別に彼女の仇が討ちたかったんじゃないんだよ。自分の心を救いたかった、それだけなんだよ」
(違う、私は、私は……!)
『木村』の手が触れた。『木村』はその腕を傷口に突っ込んだ。
「!? ぐぎゃあああああああっ!!」
「当然、君をこのまま生かしておくはずはないだろう? まあ、面白い遊びだったよ」
『木村』の腕が中でこねくり回される。
「ぐおおおおおおおおっ!! うぐおおおおおおおおおおおっ!!」
あまりの激痛に榊の体は飛び上がるが、『木村』は片手を腰にまわし、抱きしめるように押さえつけた。
『木村』の顔がくしゃっと歪んだ。
「痛いかね? まあ、そりゃあ酷い激痛だろうよ。でも、本当に痛いのは……」
言い切らぬうち、『木村』は榊に口付けした。榊の口内に舌を差し入れるとともに、手のひらをぐしゃっと握り締めた。
「――ぎッ!!」
榊の体がはちきれた。激しく痙攣し、吐血し続ける。
『木村』はしっかりと華奢な体躯を抱きすくめると、美味そうに口から血を啜り、貪った。
やがて、『木村』は、片腕は榊を押さえつけたまま、口を離した。少女がかすかに震えるだけになった頃に。
血を滴らせて。うっとりと。その体が腕の中でビクッと震えた。
- 224 名前:くろまんが大王 投稿日:04/01/02 03:15 nUj3A9GI
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「ああ、美味しいなあ、君の絶望は」
「ひゅ……ひゅ……っ」
少女の、榊の命の灯火は、もう、消えかかっていた。光を失いつつある目から、涙が頬を伝った。
瞳に残された生気が余光を走らせるように。涙が、煌いた。そして……。
(か…ぐら……わたし……いま……い…く……か…ら……)
「お休み、お嬢ちゃん」
――少女は眠りについた。永遠に。
「にぎゃぁ、みゃぁぁ」
不意に何かの鳴き声が聞こえた。見ると、一匹の猫が闇に紛れるように佇んでいる。
――それは、あの時の子猫が成長を遂げたものだったのである。
猫は凝視するようにこちらを見つめていた。そして、木村もまた猫を見つめた。
しばし、二者は無言で対峙していた。底にわだかまる、何かを見据えるように。
「にぎゃあ」
やがて、猫は一鳴きすると、闇の底へ溶け込むように駆け出していった。
「一等賞、ってか」
乾いた冷笑が静寂に木霊した。
<完>