
- 317 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 13:46 p9vvhacj
- こよみの時間
どうということは無いボロの安アパート。
「東儀…」
遠慮がちに部屋の戸を開けて入ってきたのは、水原暦だった。
「おうっ、よみ。メール見てくれた?」
東儀と呼ばれた男はコタツの前の座椅子に寄りかかってテレビを見ているようだった。
「ああ、これでいいか?」
そう言って暦が差し出したのは、レンタルの映画だった。
先ほど暦が「遊びに行く」と連絡すると、「ついでに『踊る大捜査線』借りてきてくれ」という返事だった。
「サンキュ。早速観ようぜ」
言うが早いが東儀はビデオテープをプレイヤーにセットする。
「ご飯は?食べたの?」
「食った」
暦がふとコタツの上に目を向けると、食べ終えた後のカップ麺の容器が転がっている。
「…いくら親元離れてるからって、毎日こんなんじゃ身体こわすよ」
「そうかな」
再生ボタンを押す東儀の耳には、そんな暦の溜息など届いていないようだった。
- 318 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 14:04 p9vvhacj
- 「まあ、入れよ」
そう言って東儀はコタツの布団を上げてやる。
「…」
暦は無言のまま、東儀の隣に入った。
「出不精」
「ん?」
「…何でもない」
暦は少しぶっきらぼうにそう言うと、広い座椅子で東儀の隣に腰掛けながら、またひとつ溜息をひとつついた。
全く、せっかくの休日だというのにこの男ときたらいつもこの調子である。
東儀が、湯のみ茶碗を一口すすった。
「あ、お前…またお酒飲んでるのか」
「ん…あ、あぁ。よみも飲むか?」
「いらない」
高校生のくせに、ちょっと目を離すとすぐにこれだ。
それとも口うるさい親元を離れてすぐの時期とは、みなこんなものだろうか?
女として、いや常識人としてそれは力いっぱい否定させてもらいたい。
東儀はちょっと笑って、
「苦いの嫌いだもんな」
と言った。
「違う。昼間っから酒なんか飲みたくないだけだっ」
「へいへい」
「煙たいからタバコは吸うなよな」
「分かってるよ」
東儀は「ちぇっ」と言って、さも煩そうに手をひらつかせてテレビの方を向いてしまう。
- 319 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 14:19 p9vvhacj
-
「…なぁ」
「何だよ」
ちょうどドラマが佳境にはいるあたりで、暦が口を開いた。
「これ観終わったらさ、どこか遊びに行こうよ」
暦には、日曜日の休日から酒をあおってレンタルビデオを鑑賞するなど、
健全な高校生の過ごす休日ではないように思えてならなかった。
「ん…観終わったら、考えとく」
力なく答える東儀の返答に、
暦は「やっぱり、駄目だなぁ…コイツ」などと思いながら、
かえってその駄目ッぷりに笑ってしまうのだった。
(…)
「ん…?」
東儀は不意に、自分の二の腕に押し付けられるやわらかい感触を覚えて暦に目を向けた。
「?」
暦はキョトンとした顔で東儀を見返した。
「いや…」
と言って、彼は再びテレビに向き直る。
…きゅ、…ムギュッ……!
今度は錯覚ではない。明らかに暦はその豊かな乳房を東儀の腕に押し付けている。
「お、おい…よみ…」
自分はビデオを観ているのだと抗議しようとするのだが、声が裏返って上手くきまらなかった。
「どうした?」
- 320 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 14:31 p9vvhacj
- わざと何でもないような表情で、しかしやや上気した顔で、暦は聞き返す。
「…」
男は黙ってリモコンを手に取ると、プレイヤーに向かって停止ボタンを押した。
テレビの電源スイッチも切ってしまう。
「…」
「…」
それからしばしの間、奇妙な静寂が二人の空間を包んだが、
やがて男の方から首を伸ばして少女のい唇に合わせて来た。
「んっ…」
口唇と口唇が触れ合う。
「ん…んふっ……」
その柔らかさとくすぐったさに暦は小さくくぐもった笑い声を上げながら、
ゆっくりとその小さな舌を男の歯と歯の間にくぐらせてくる。
「あむ…ん……ちゅ」
東儀も負けじと舌を這わす。
しばらくの間お互いの舌と舌を絡めあいながら、二人は時が経つのも忘れていた。
…ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……っ
濡れた粘膜どうしがふれあうそんな音だけが、この小さな一室を支配している。
やがて暦は静かに唇を離すと、「…お酒くさい」と言った。
- 321 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 14:41 p9vvhacj
- 「…」
そんな暦の軽口も構わず、東儀は着々と暦の着る上着のボタンを外していた。
「するの?」
「…当たり前だ」
既に東儀の股間は熱くたぎってしまっている。
このまま自分でおさめろとでも言うのだろうか?
「大体なぁ…」
東儀は暦を脱がせながら、ボソリと言った。
「お前はいつもいつも俺を『駄目な奴だ』と言うけれど、
よみだって相当なもんだぞ」
「そ、そうか…?」
「そうだよっ」
男は、暦のボタンを全て外した暦の上着を左右に乱暴に開いた。
ピッタリとフィットした黒のTシャツが、暦の類稀なボディラインを強調している。
「セクシー!ダイナマイツっ!」
意味不明な気合とともに、東儀はバンザイの格好をさせた暦からそのTシャツも剥ぎ取った。
ブルン!とブラジャーに包まれた暦の豊満な乳房が揺れて動く。
- 323 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 15:04 p9vvhacj
- 「う~ん。いいね~、こよみちゃん。ナイス・バディよ」
「馬鹿野郎…っ」
どうしてコイツはいつも、いちいち恥ずかしい事を言うのだろうか?
おどけてみせる東儀に、彼女は両腕で胸を隠すようにしながら顔を赤くして罵った。
「そんな格好で凄まれてもなぁ…」
そう言いつつ、東儀は暦の身体に抱きついて、
「あむっ…」
と、もう一度やさしいキスをする。
その一方で、彼の両手は淀みなくスムーズに暦のブラのホックを外していた。
…チャッ……
そのまま、スカートのホックも外す。
「ん…」
脱がされてしまうと、それが新たに彼女の興奮になるのか、
暦はふいに深く舌を東儀の奥に突き入れてきた。
「…ん……ん………」
ちゃぷ、くちゅ、……ちゅぷ………ッ
「ぅぐ……んんっ!……んむ…」
ほとんど裸体の暦が、覆いかぶさるように東儀の身体に抱きついてくる。
「…するなら……東儀も脱げよ」
「ん…あ、あぁ」
暦に促され、彼はそそくさと着ていたドテラを脱いだ。
「馬鹿!不公平だろ?全部脱げよっ」
暦はどこか楽しげな声でそう言うと、素早い動作で瞬く間に東儀の部屋着を剥いていく。
- 326 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 15:24 p9vvhacj
- 「分かった、分かった。全部脱ぐよ…。
暦もショーツ脱ぎな」
「ソックスも脱いでいい?」
「だめ!」
東儀はにべもなくそう言うと、自分はさっさとトランクスまで脱ぎ去って全裸になった。
真っ昼間の明るいうちなので、ブラブラと醜いものが余計ちらつくいて仕方が無い。
「…丸出しだぞ」
と暦が言うと、東儀は「きゃー」と言って、両手で顔を覆い隠した。
「本当に、馬鹿だなぁ…」
暦は苦笑しながらそう言って、
しかしそんな東儀が決して嫌いではない自分がどうにも不思議でならなかった。
「じゃ、履いたままにしておくけど…今日はソックス汚すなよ?
ガビガビになって洗濯するの大変なんだからな」
「分かってるって!…それじゃ、いただきますっ」
東儀は礼儀正しく暦に一礼すると、鼻息も荒く飛びかかってきた。
…この時の感触をどう表現していいものか。
文才に乏しい東儀には「温水プールに飛び込むような感じ」としか言えなかった。
- 327 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 15:44 p9vvhacj
- ひどく暖かく、優しく、柔らかく…
どこか懐かしい匂いさえする、このうえなく心地よい場所。
まるで自分の全てを無条件で迎え入れてくれるかのような、安らぎに満ちた場所。
美人でスタイルもよく、勉強・運動と器用になんでもこなす女。…それでいて、やさしい。
ふと怖くなるほど自分に対して優しく接してくれるのだ。
どんなに我侭を言っても、甘えても絶対に自分を見捨てはすまい。
何故かは分からないが、そういう奇妙な安堵感を抱かせてくれる相手だった。
一方、暦にとっての自分とは、どういう存在なのだろう?
卑屈になるつもりは無いが、別段勉強がデキるわけでも、スポーツができるわけでも特別顔がイイわけでもない。
そういう自分の一体どのあたりに、この女は惚れてくれたのだろう?
…ぐぢゅる……っ
「あぁっ!」
東儀の先端がその秘所に触れた瞬間、暦は切ない歓喜の声を上げた。
そのままズブズブと暦の濡れた肉の中に埋もれていく…
(コレじゃあ、ないよな…)
少なくとも自分は暦の事が好きだと思う。
自分が好きになった相手が、まさか自分の体の一部分を気に入って付き合ってくれているだけだとしたら、
これほど残酷な現実は無いだろう。
「動くぞ」
誰にということもなく、彼は腹立だしい思いを胸に覚えながら、やや乱暴に腰を動かし始めた。
- 328 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 15:58 p9vvhacj
- 「ああっ……くっ………。も、もっと…優しく…」
いきなりの事に驚いたのか、暦はたまらず悲鳴を上げた。
「贅沢言うなっ」
耳元に囁くと、暦はビクビクと身を震わせる。
「…」
彼はそのまま彼女の耳たぶを2度3度甘噛みしながら、何度も何度も出し入れを繰り返す…
「あっ!…あっ!…あっ!……あぁッ!!」
「いいか?…いいのか?……いいんだろ……っ!?…こよみ……ぃ…っ、。痛いコトされて…」
「あ、…う、うん……いい…………イイッ!」
東儀はガシガシと腰を暦の身体に打ちつけながら、
「よみは…Mだもんな」
と言った。
ビクビクビクビクビクゥッ!!!
「あぅうっ……フフ、ほら……『Mだ』って言われて………膣ん中、びくびくしているぞ」
東儀の熱い吐息に、暦はさらに身を震わせて、
「あ…ぁあ……い、言わないで…言わないで、そんな事……うぅ…」
と力なく呟いた。
ぐちゅ、ぐちゃ、…ぶしゅ、……ちゅく……
規則正しい粘膜と粘膜の擦れ合う音が、徐々にスピードを上げていく。
「言ってやるさ。…何度だって言ってやる。
お前は自分の彼氏を『駄目人間だ』とか言いながら、
その駄目人間に抱かれて喜ぶ変態だ、って…ね!」
「ああ……あぁぁああーーーっ!」
- 329 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 16:15 p9vvhacj
- 「ふ…フフフ……っ」
東儀は半ば狂気の色を瞳に宿しながら、暦の肉体を蹂躙し続けた。
暦の淫部からはグシュグシュとさらに愛液が漏れ出てくる。
正常位に見下ろすその表情は、夢見心地に浸りつつ与えられる快楽を享受する女の顔であった。
男は徐々に征服欲を満たしながら、
「四つんばいになれよ」
と言った。
「…うん」
普段の気丈な彼女の姿からは想像もつかないような甘い声で、暦は素直にうなづくと、
ゆっくりと後ろを向いて両手両膝を突いた。
東儀の目の前で女性らしい丸みを帯びたヒップラインと、
その中に秘められた二箇所の入り口があらわになる。
男はニヤリと口の端を持ち上げて、右の人差し指をぺロリと舐めた。
そして…
ぐじゅ、…ちゅ、ちゅくっ………
「あ、アーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」
ひときわ甲高い声で、暦は弓反りに上体をくねらせた。
- 330 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 16:26 p9vvhacj
- 「ゆ、指!…だめ……ェ……ゆ、指……でそこ…や…ぐ、グリグリしないで…あ
…ヤン…ッ!…あ…」
突き入れた指に、膣の内壁がビクンビクンと反応している感触が心地よかった。
「ほら…イっちゃえ。…いっちゃえよ。……
イけばまた、こっちの方でしてやるからさ」
己のペニスに左手を添えながら、東儀はわざと傲慢にそう言った。
その方が暦にとって快楽なのだと確信しての言葉だった。
…そして、そのとおりだった。
「あっ!…あっ!!……ああぁぁーーーーーっ!!!!!!!」
びくん! びくん!! びくん……!!!
これまでに無いくらい強く、暦の膣は収縮し東儀の指を締め上げていた。
東儀は暦が絶頂を迎えたことに満足感を覚えながら頷いて、
「それじゃ、ご褒美だ」
と言いながら、いきり立った己の男根を暦の中に押し込んだ。
―――ぐぢゅるぶぅッ!!!
もの凄い音を立てて、東儀のペニスが暦の内部に侵入する!
- 331 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 16:40 p9vvhacj
- 「あああああああああああああああああああああぁぁぁぁーーーーーーーーーーっ!?
」
オルガニズムに至った直後に加えられるあまりにも無慈悲な快感の直撃に、
暦は弾けたように声を上げた。
男は構わず、自分が気持ちの良いように腰を振る。
「…い、イきたてのよみの中は……ハハ、思ったとおり、
びくびく締まっていい感じだ……ふ、フフフ……」
…ぐぢゅ、くちゅ、……きちゃ。…ぶちゅ…ニュチュル……ちゅく…ちゃ…
「あ…あ…」
暦は言葉にならない声を上げながら、
背後から抽送続ける東儀に向かって限界までヒップを突き出し、
彼から与えられる快楽を余すところなく受け入れている。
「よみ…こよみ…っ!、おれ、俺もう……そろそろ…あぅうっ……」
そんな東儀の声に応えるがごとく、
暦の内部のヒダヒダが一斉にキュゥウウウウウッと彼のペニスを責め上げた!
「暦っ……よみぃいいいいいっ!!! あうっ!」
ドクン、ドクン、ドクン……びゅるびゅるびゅる………
- 332 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/01/12 16:59 p9vvhacj
- 大量の精液を暦の中に吐き出した後、東儀はグッタリと暦の背中にもたれかかった。
二人はしばらく荒い息が整うまで、そのままの姿勢でジッとしていたが、
やがていち早く我を取り戻した暦が「…重い」と言うと、
東儀は「…悪い」と言って、女の中奥深くに潜り込んだ自分のペニスを引き抜いた。
引き抜いた先から、ボタボタと白濁液がこぼれて落ちる。
(またやっちまったなぁ…)
満足感に浸りながら、しかし一方で、避妊具も着けずにSEXしてしまった自分に罪悪感を覚えずにはいられない。
「大丈夫。今日は安全日だからな」
「…」
無言のまま答えようとしない東儀に、暦は「相変わらず気が小さいな」と笑った。
(それでも)
と東儀は思う。
もしこの先万が一のことがあれば、自分が全責任を負わねばなるまい、と。
(…お前はどう思っているか知らないけど…
おれは、お前とならずっと一緒にいても良いと思ってるんだぜ)
そんな東儀の悲愴な決意を知ってか知らずか、暦は再び彼と軽い接吻を交わしてから、
「それじゃ、カラオケにでも行こうか」
と行った。
了
- 895 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/05/02 03:39 vhB7eRz+
-
T&T
最後の授業が終わり、HR前のひと時の事だった。
「なぁ、よみ。学校終わったら遊びにいこうぜ?ってばぁ
あんたが好きなカラオケでもいいからさ」
ともの言葉に、よみはため息を一つついて「お前なぁ……」と言った。
「もうすぐ中間試験なんだぞ? 少しは勉強しようって気にならないか?」
「ならない」
「……」
暦は、「それなら何も言うことは無い」と言わんばかりに、
無言のまま中指でそっとメガネを直すと、プイとむこうを向いてしまう。
「……ちぇっ。友達がいのないヤツ」
ともプゥと頬を膨らませ、
「それじゃ、東儀! あんたが付き合え!」
ビシッ!と指差した先に、東儀は居た。
「え……オレ?」
「そう、あんただ。 ……カラオケ行く?」
おおかた、テスト前のこの時期、他に遊んでくれる友達が居ないのだろう。
神楽とか大阪だって、成績はともかくテスト直前に遊びにいくほど不真面目ではない。
それなら、こいつだって皆と一緒に勉強すりゃいいのに……
「だめか?東儀。 あんたまでマジメ子ちゃん?」
「……いや、別にいいけどさ」
おれの場合、テスト前で家に帰ってもどうせゲームかビデオなので、あまり変わりない。
暦はこの時期遊んでくれないし、まぁいいか……
- 896 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/05/02 03:55 vhB7eRz+
- 「ちょ……、東儀?」
暦がさも不満といわんばかりに抗議する。
「テスト前は一緒に勉強するって言っただろ?」
「んん……」
たしかに、普段ならテスト週間なんてすなわち「午前授業」以外の何者でもないのだが、
ここ数日はその「約束」のおかげで、勉強勉強の生活だった。
(暦さえおれの部屋から帰ってしまえば、あとはゲームとビデオなんだが……)
東儀のあまりの成績の悪さを見かねたのか、暦は妙な気合をいれて指導にまわってくれるのだ。
「たまには休憩も必要だ」
しれっと東儀が言うと、暦は憤慨して、
「そんなのはテストが終わってからにしろよ!」
と言った。
「今日だけ。……な?水原」
「勝手にしろっ。 ……そのかわり、明日からはまたみっちり勉強だからな!」
暦はまたぷりぷりして、そっぽ向いてしまった。
「何だ? 夫婦喧嘩か? よみ、うかうかしてると私が東儀をもらっちゃうぞ」
「ああ?」
(ばか……)
東儀には、なぜともがこうも火に油を注ぐ真似ばかり重ねるのか、理解しがたいところだった。
- 897 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/05/02 04:10 vhB7eRz+
-
…HRが終わる。
今週は午前授業なので、まだ昼食はとっていない。
「……メシどうする?」
程よい空腹感を感じながら、校舎を出たところで東儀はともに尋ねた。
周りを見渡せば、テスト勉強のためにせかせか帰宅する生徒でいっぱいだ。
「おごってくれ」
何の脈絡も無いともの台詞。
「あ?」
「……よく考えたら、男にご飯を奢ってもらったことがないんだ。
花の女子高生として、これはちょっと悲しいことだぞ。
せめて男とふたりで遊ぶときくらいいいじゃん」
「おれも花の男子高生だが、女に奢ってもらったことはない」
ともは「げっ」という表情になって、
「東儀、セコい男は出世できないないぞ!」
と、身勝手なことを言う。
「……吉野家の並盛なら」
そこはかとなく漫画版の時代感をかもし出す東儀の選択に、
「半熟卵つけてね?」
と、ともも応えた。
(次回、また酔っ払ったときに)続く
- 20 名前:T&T 投稿日:04/05/04 01:46 ChByMM6G
- 前スレ897の続き。
ちゃんと酔っ払ってますよ?
**********************
「……しかし、女とご飯食べるのに吉野家チョイスするかねフツー」
ともは席に座った後になって不平を言い出した。
東儀はムッとして、
「文句あるなら食わせてやらん」
「あ、嘘!ごめん。 いただきますっ!」
注文とほぼ同時に出てきた牛丼を、慌てて受け取るとも。
東儀は半熟卵をのせ、少しかき混ぜてからパラパラと唐辛子を振る。
サッと醤油をひとかけしたあと、どんぶりの中身を一気にかっこんだ。
「……」
「……ん?」
ともが自分の方を観ているのに気づき、東儀は箸を止めて「どしたの?」と言った。
「いや、見るからに食べ慣れてるなぁって感じ」
「そうか?」
「美味そうだよ」
ともも東儀の真似をして、半熟卵をのせる。
「私らだけで吉野家とか来ることないからね」
- 21 名前:T&T 投稿日:04/05/04 01:59 ChByMM6G
- 「半熟卵がどうとか言ってたじゃんか」
「ん。 半熟のがあるって聞いてから、本当は一度来てみたかったんだ」
そう言って、イタズラっぽく笑った。
***
腹ごしらえを済ませたあと、ともに連れられてやってきたカラオケ屋は、
コンビニの2階にある薄汚い店だった。
「……ココにするのか?」
「嫌?」
「おれの方は、べつに嫌じゃないけど。 割り勘なら、もう少し綺麗なところに行けるだろ」
何というか、吉野家以上に女と連れ立って来るような場所ではないように思われる。
「いいじゃん。 安いし」
「……だがなぁ」
それに、東儀は知っていた。
- 22 名前:T&T 投稿日:04/05/04 02:19 ChByMM6G
- 店内はなぜか薄暗く、見るからにいかがわしい雰囲気をかもしだしている。
そして各部屋にはガラス窓というものがなく、戸を閉めて音楽の音量を上げてしまえば完全に中の様子が分からなくなってしまうのだ。
そのため、一部良識に欠けたカップルからそういう目的で使われる事がしばしばあるような店だった。
通称「ヤリオケ」。
「……」
「じゃ、東儀の奢りでどっか別の所にしよう」
「いや、いいよ。ココにしよう」
「決まりっ」
まるで彼の答えを見透かしていたかのように決めてしまうと、
ともは強引に東儀を店の中にひっぱって行く。
その店は、空いた部屋から自由に選べるシステムだった。
「一番奥の部屋でいい?」
ともが尋ねると、東儀はギョッとして「あ、あぁ……」と頷く。
(まさか、な……)
一抹の不安を覚えながら、しかし少年はこの時なにか嫌な予感がした。
「リモコンもらったよ。 さ、行こうぜっ」
「うん……」
ともが妙にハシャぐのは、今に始まったことではない。
ないのだが、しかしこれは偶然の一致だろうか?
ともの選んだ奥の部屋は、東儀と暦がよく知っている場所だった。
続く(小出しでスマン)