
- 436 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:30 Xj6KCohM
- 私は、不覚にも風邪を引いてしまい、自宅のベッドに横になっていた。
幸いと言うか不幸と言うか、土日と祝日のつながった連休の初日だったため、
学校は休まずに済んだのだ。けれど、ベッドにこもったままの休日というのも
退屈だ。
部屋の外から、母が私を呼ぶ声が聞こえ、来客を告げた。足音が聞こえ、
神楽が部屋に入ってきた。
「見舞いにきたぞ」
「ありがとう……」
神楽は私の勉強机から椅子を引っぱり出し、どかっと腰を下ろした。
「榊も災難だな、こんなときに風邪引いちゃうなんてさ」
「でも、休みの日でよかった。学校を休まずに済んだ」
はあっ、と神楽がため息をついた。
「さすがだなぁ。私なんか、授業休めてラッキーって思っちゃうぜ」
「君の場合、ん、ごほんっ、クラブも休みになるだろう」
「……ん、それは確かに困るなぁ。あ、そういや手ぶらで来ちゃったな。
何か買ってくれば良かった」
「いいよ。来てくれただけで嬉しい。でも、うつさないか心配だ……」
神楽が、ベッドの脇に近寄ってきた。
「私は、そう簡単にうつされるほどやわじゃないよ。ただの風邪なんだろ?
……熱まだあんのか?」
「ある」
額に手を置かれた。目的はどうあれ、触れられるということがこんなに嬉しく
感じられるとは思わなかった。
- 437 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:31 Xj6KCohM
- 「……済まない」
「何を謝ってる?」
「私がうかつだったばかりに」
神楽が首を傾げた。
「私が風邪をひかなければ、一緒に出歩いたり、できた」
「気にすんな。そんなこと考えるよりも、さっさと治せよ」
「きみは、私に逢いたがってたし」
額の手が、離れた。ちょっとさみしくなった。
「……ん、まあ、な。ひさびさに……」
神楽が、こつん、と私の額に彼女の額をぶつけた。熱はさっきみたというのに。
間近で感じられる彼女の吐息に、普段なら気持ちが高鳴るのだけど、今日は
だるさの方が勝っていた。
「ごめん……」
「謝らなくていい。熱だけ? ……い、今のは熱あるのか確かめたんだぞ」
神楽が、自分のしていたことにはっとなるように額を離した。またさみしく
なった。
「熱と、鼻とのどが。胃腸は大丈夫」
「そ、そうか……なるべくメシは食えよ」
母が、買い物に出てくると私に告げる声が玄関の方から聞こえた。
二人っきりになり、なんとなく詰まったような、気まずいような雰囲気が流れた。
- 438 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:33 Xj6KCohM
- 「……一時間」
「ん?」
「ごほっ、一時間は、帰ってこないと思う」
私の言葉の意味するところを神楽も分かったみたいで、わたわたと両手を振った。
「バ、バカ! なに考えてる! 風邪ひいてるんだろうが! よ、余計なことは
考えなくていい!」
「目を見たら考えてることは分かった。いいよ……」
布団をかけ直された。
「だから余計なことは考えるな! そ、そんな、病人にだな……」
「でも、明日あさっては練習だろう? 今日じゃなきゃ……あ」
「だからって……どうした?」
「そんなことしたらうつすな。悪かった」
「それは、き、気にしなくていいけど! け、けどなぁ……」
- 439 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:33 Xj6KCohM
- いつものようにほほの色を変えながら焦る神楽の目に、ベッドの脇の
チューブが映ったようだ。
「これ、塗る風邪薬だっけ?」
「うん。病院の薬はある。でも、のどが辛いから、んっ、えふん、出してきた」
「マジでのど辛そうだな? しかし、なつかしいな。小さい頃、よく……
今は、塗ってないよな」
「ああ」
あの薬は塗れば独特の臭いがするからよく分かる。今の私からは、寝汗の臭いしか
しない。
「……榊、狙ってないか?」
「……何を?」
「いや、何でも……」
- 440 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:34 Xj6KCohM
- しばらく視線を絡み合わせた。もし神楽が来たら、もしかしたらという
思いがなかったといえば嘘だった。でも、見舞いに来ること自体予想しづらかった。
今回ばかりは、偶然8割というぐらいだ。
「……実際、辛い。のども、胸も痛い」
神楽が、ごくりとつばを飲み込むのが分かった。
「その……あ、あれだ。か、看病だからな。看病……」
チューブのふたが開けられる。いやらしく潤んだ瞳が私を見つめる。
「ごめん……わざわざ」
「謝ることはないとさっきから……看病なんだから……」
パジャマに手がかけられ、ブラをつけていない、無防備な胸がさらされた。
- 441 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:36 Xj6KCohM
- 触れる指先は冷たく感じられて、それだけで普段なら背筋が跳ねたはずだ。
だが、今は全身がだるくて、わずかに体をこわばらせることしかできない。
独特の臭いが広がり、私の汗の臭いを打ち消していく。
「はぁ……」
私にまたがった形の神楽の、指はゆっくりと弱くなで回している。
やがて、右手が寝ている私の胸のいちばん高いところにゆっくりと近付いてくる。
「うぁ……」
触れられた瞬間、たまらず声が上がった。しびれるような感覚と、本物の熱に
浮かされた感覚が入り交じり、妙な脱力感が広がる。
「な、なにいやらしい声出してるんだよ。病人は、黙って、か、看護を受けてろ」
そう言いながらも、こんどは左手で右胸を下からこね始めた。先端の鋭い感覚も
好きだが、こちらのやや鈍い感覚も好きだった。体が動けば、我慢できずに神楽を
押し倒していたに違いない。
- 442 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:37 Xj6KCohM
- 「そんな塗り方……」
「よ、よく染み込むようにしてやってるんじゃねえか。胸、大きいからさ……」
「んんっ……」
「だ、だからなんでそんな声……これのどこがいやらしい?! え?!
い、言ってみろよ! ったく……首にも塗るといいんだっけな」
神楽の指が、首筋に移動した。そういう風にできている薬だけあって、
外からでものどをケアされるのはいやらしい意味でなく心地よかった。まして、
神楽の指ならば。そして、神楽の指は再び胸にもどる。ぬるぬると、両方の
頂点が嬲られる。
「んあっ。ん……あ……」
力なく喘ぐ私を、ちょっと勝ち誇ったような顔で眺めながら、こんどは
親指だけを頂点に当て、下から包み込むように両手で刺激を始めた。
- 443 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:38 Xj6KCohM
- 「~っ! うっ、んぅ、あっあっ……!」
快楽を受け止めることと、かすれた声をあげることしかできない私。それを
見下ろす神楽の顔も、上気していくのが分かる。
「ま、まったくよ、風邪薬でこんな、お、おかしいじゃねえか」
「くぅ、あうっ、か、かぐらぁ……ご、ごほっ」
「さ、榊……は、早く治せよ。こ、声が、かっこいい声が台なしじゃ
ねえかよ……」
もう一度風邪薬を手に取り、期待する私の胸にぺとっと塗り付ける。そして、
こんどは左右微妙に違う動きで私を翻弄してくれる。本気の神楽が、こんなに
すごいとは思わなかった。
「はぁ、げほっ、か、かぐらぁ……」
また両方の乳首がぐりぐりといじられる。ぬめりが、私の意識を食っていく。
「す、すごい……かぐ、ら、んんっ!」
「か、看護にすごいも何もあるかっ! そ、それと、そんな風に呼ぶなぁ!
こっちまで、切なくなるじゃねえか……」
- 444 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:39 Xj6KCohM
- 神楽が私の胸に顔を近付けた。が、すぐに気付いた。
「あ、舐めれねー……」
すでに私の胸は両方とも薬でべとべとだった。
「榊……」
胸が舐められなかった神楽は私にキスをしようとしてきた。
「そ、それはダメ……」
「なんで?」
「うつすから。ダメ」
が、神楽は渾身の力を込めて、完全にベッドの上に上がり私にのしかかって、
そしてキス。
「んん……」
「は……んふ……」
逃げる私の舌を、神楽の舌は追い回し、キスの熱と風邪の熱で私はパニックに
陥っていた。神楽を突き放すこともできない。
- 445 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:40 Xj6KCohM
- 「ん、ぷはっ」
「う……はぁ、う、うつすってば」
神楽が私の耳元で得意げにささやく。
「悪いウイルスを、全部吸い取ってやったんじゃねえか」
不覚にもその台詞にくらっときてしまった。ただでさえふらふらの頭が、意識を
失いそうになる。やっとのことで持ち直す。
「神楽……」
「ごめんな、襲っちゃってるよな、これ」
「私から誘ったんだから」
「いや、榊が誘わなくてもさ、私、襲ってたと思う」
「私も……襲われなくても、誘ってた」
私の言葉を引き金に、再び神楽の舌が口を犯した。今度は、舌だけでなく歯まで
撫でまわす。いつもなら昂揚するこの行為も、今日の私には脱力する以外になかった。
- 446 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:41 Xj6KCohM
- 「あふぅ……う、うがい、してき……ごほっ」
「構やしねえよ。そう簡単にうつるか」
「お願いだから……」
「しょうがねえな。じゃ、うがいする前にさ」
三たび、神楽が私の口を犯すと同時に、両手が私の胸を優しく包み込む。
口は最初から激しく、胸ははじめは優しく、そしてじょじょに緩急を
つけはじめる。ぬるぬるが、私を犯す。蓄積されていた快感に、火がともる。
「んぶっ……んっんっ、んんんっ!!」
さらに、胸の先端を優しくひねられて、とうとう私は耐えられなくなった。
「んんん~! く、んっ!! !!…… ……っ、んあ……は、はぁっ、
はあっ……」
平常時なら、体は激しく撃ち震えていただろう感覚だった。私も、胸だけで
絶頂に達せられることができたのかと、妙なことに感心してしまった。
- 447 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:41 Xj6KCohM
- 「ご、ごめん、榊。無理、させちゃったよな……」
「いい……すごく、よかった。神楽、ごほっ、いつのまに、うまく……」
「だ、だいじょうぶか? ……榊にさ、鍛えられたっていうか、普段榊が
やるようにさ。それと、榊、あんたが動けなかったってのもある」
「ああ……」
神楽がぺこりと頭を下げた。
「ほんと、ごめんな。見舞いにきたんだか、邪魔しにきたんだか、
わかんねえよな……」
「いい。寂しかったし、よかった。い、一方的にされて、こんなに、
気持ちいいだなんて……」
「……う、うがい、してくるよ。ついでに、氷枕も」
「ん……」
神楽はぬるくなった氷枕を手に、部屋を出ていった。
- 448 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:48 Xj6KCohM
- 神楽が中身を新たにした氷枕を私の頭の下に差し入れてくれた。心地よい。
「榊、私、そのぉ……」
はにかみながら神楽が言う。
「かまわないよ。好きにして」
「で、でもさぁ」
神楽の手を握った。
「チャンスだよ。獲物は弱って、目の前にいる」
神楽が、覆いかぶさってきた。鼻の調子が悪く、匂いを堪能できないのが
本当に残念だ。
「風邪で辛いってのに、本当に、本当にごめんな。榊がくたびれないように
するから……」
「気にするな、ご、ごほっ」
「あ……。だいじょうぶか?」
私は黙ってうなずいた。
- 449 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:48 Xj6KCohM
- 「榊……。あの、変に思うかもしれないけど、ここ、舐めてくれねーかな……」
神楽は、私に右手の人指し指を突き出した。そういえば、以前、神楽の
指を陵辱したことがある。あれ以来やってなかったが。
「癖になったんだ?」
「いや、その……これ、た、体温計だぞ、体温……。嫌ならいいよ。
こ、こんなことして、私はいやらしくてその……」
「それを言うなら私も同じだ」
私は神楽の指をくわえた。神楽の顔に歓喜が浮かび、うっとりとした
表情になる。
「ああ……榊ぃ、悪い……ああっ……」
今の私に、うまく動かせるのは舌ぐらいだ。精いっぱい、陵辱してあげたかった。
静脈をこすり、関節をしごき、筋を歯で触れる。神楽が、私を犯すという
状況で、男性の性器に見立てた指を私に舐めさせたいという気持ちは
十分に分かった。なにせ、最初に見立てたのは私だ。私が寝込んでいるこの
状況なら、それが実現しやすかっただけのこと。それに私は、神楽を犯し、
喘がせる快感の中に、神楽に尽くしたいと言う気持ちも抱えていたのだ。
だから、私はこれで幸せだった。
- 450 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:49 Xj6KCohM
- 「ふうん……ああ……いいよぉ、いいよぉ、さかきっ。やっぱ、熱い……
熱あるなぁ榊」
神楽の恍惚とした表情を見て、私はとても嬉しくなった。風邪の熱とその
感情が混ざりあい、まさに病的な満足感を私に与えた。それをもっと
味わいたいのに、無情にも指は引き抜かれた。
「ああ……」
神楽が、濡れた指を自分の口に差し込んだ。
「あ、い、いけない! うつるよ……」
「かまうもんか……かまうもんかよ。すげーうまいよ、最高だよ」
神楽が取り憑かれたように指をしゃぶっている。正確には、私の唾液を
しゃぶっている。それを見ると、いまさらながらちょっと恥ずかしくなった。
- 451 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:50 Xj6KCohM
- 「こんどは、こんどはさぁ、榊に。寒くないようにするから。上着て」
言われた通りにパジャマのボタンを閉めると、神楽が布団を持ち上げ、
私と神楽にかぶせた。神楽は私の横に寝て、足を持ち上げながら、私の
パジャマのズボンと、パンツを脱がせてしまった。
「ふとん、ちゃんとかぶってれば寒くないよな」
いつもは、動きにくいから掛け布団は被らず暖房に頼ったり、毛布だけにしたり
することもあるが、逆にこうすると、布団の重みをも快楽のように感じられる。
「じっとしてろ」
そう言うと、神楽は掛け布団の中に潜り込み、見えなくなった。そして、
布団の中で、私の足を広げ、その間に入ったようだ。
- 452 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:54 Xj6KCohM
- 「んっ……か、神楽ぁっ!」
不意に布団が私を犯した。いや、潜り込んだ神楽が、私を舐め始めたのだ。
直接は見えない布団の中で、神楽はもぞもぞと動く。見えないのが、かえって
想像力をかき立て、私を燃やす。やや荒めに舌になで上げられ、快感と発熱と
だるさと酸欠で、頭をぶつけたかのようにくらくらして、力が全く入らない。
「や……く、うんっ! く、んんんっ!」
逃れようとしても、叫ぼうとしても、全然体がいうことを聞かない。
止めて欲しくても、伝える方法がない。もぞもぞと動く布団に、ただ犯される。
神楽が次にどう動くのか全く分からず、翻弄される。穴をえぐられる感覚に、
痰まで沸騰するような感覚に陥る。下の唇を湿った舌でなぞられ、
頭が煮える。そして、指と舌で同時に敏感な突起を責め立てられ、あっけなく
私は崩れた。
「いやっ! や、あっ……!! ……あ……うぁ……う……ん」
私は自分の心臓が激しく脈を打つのを、発熱した頭で聴きながら、だらしなく
口を開けて天井を見上げていた。
- 453 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:55 Xj6KCohM
- しばらくして、やや静かに達した私のぐったりした体を、下半身に居た神楽が
這い上がってきた。布団から頭を出し、私の顔を覗き込む。
「早かったな。やっぱ、風邪引いてると、かな。……ごめんな、無理させて」
「ん……嬉し、かった」
「そ、そうか? へへっ……いま、拭いてやるから。もう無理だろ?」
「んはぁ、ああ、もう頭がどうかなりそうで……神楽はいいのか?」
神楽は、丁寧に、汚してしまった場所を拭いてくれている。
「いいよ。榊にこれ以上無理はさせられないし。それにさ……その、榊が、
いつも私をいじって、喜んでるのが、ちょ、ちょっと分かった気分だ」
「え?」
「いっつも榊はあんまりその、されないで、なんで楽しそうなんだって
思ってたんだけど……これも、悪くないかもなぁ。布団、濡れてないな。」
よかった、よかった。けどこっちは濡れてるから、替えてやるよ」
- 454 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:56 Xj6KCohM
- 下着が引き抜かれ、神楽がタンスの中から新しいのを取り出した。
勝手知ったるとは、こういうことなのだろう。
「神楽は……冷たくないの?」
「しょ、正直、ちょっと……。だ、だってさあ、榊の、あんな顔見て、
それで今日は榊を好きなように出来て……ああもう! なに言わすんだよ!」
確かに、今日は私はずっと寝転がったまま、されるがままになっていた。
けれど、これはこれで、楽しかった。
「ごほんっ、帰ったら……すぐ着替えないと。風邪をひくよ」
「あ、ああ……」
- 455 名前:桃色のお見舞い 投稿日:03/10/01 22:57 Xj6KCohM
- 神楽の顔が、私の顔に近付いてきた。
「最後に」
「だから、キスは……」
「ほっぺたならいいだろ」
「それなら」
顔を横に向けると、唇が触れた。かすかに、舌の柔らかい感触もした。
「今、ちょっと舐めたな」
「いいだろ、それぐらい。じゃ、大事にな」
立ち上がり、軽く服の乱れを直すと、神楽は扉に向かった。
「榊……私が風邪ひいたら、見舞いにきてくれるか?」
「ああ。でも、風邪ひかないようにして」
「分かってる」
扉が閉まった。熱は、下がりかけているようだった。また孤独な休日に
戻ったけれど、神楽のぬくもりがまだ布団の中に残っていて、寒気は感じなかった。
おわり