647 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/11 23:55 KiPHQ2Jm
「えーっと、ここわかんねーんだけど……」
「さっきと同じだ。この構文」
 冬休み初日。これからいよいよ受験勉強が佳境に入る。
そんなある日、神楽が私に勉強を教わりにきた。宿題を写させてあげたりしたことは
けっこうあったけど、自分から勉強を教わりにくるのは珍しい。
「ごめん、ここも……」
「これもさっきと同じ。構文は覚えないと」
 神楽はこれからかなり忙しくなりそうだ。私立の、それも推薦なので試験時期が早い。
でも、名前だけ書けばいいような推薦入試は受けられないみたいで、それなりの学力が
必要みたいだった。確かにそれでも一般の入試よりははるかに易しいようだけど、
時間がない。正直なところ、かなりがんばりが必要なように私には思えた。
「榊って、すごいよな」
 神楽がぽつりとつぶやいた。
「なんで、そう思う」
「なんでって……榊、なんでもできるじゃん」
私はため息をついた。

648 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/11 23:57 KiPHQ2Jm
「神楽……」
「分かってるよ。榊がこういうふうに言われるのが嫌いなのも、榊が自分に
満足してないのも。分かるけどさ」
 それだけ言うと、神楽は体を伸ばして、私の参考書を覗き込んだ。
「むずかしいこと書いてあんな……生物? 五教科ってだけでもすげーよな」
確かに、神楽は二教科か三教科で受験するから、私の方が多いとは言えるけど。
私は、必要なことをやっているだけなのに。
「別に。……生物を勉強せずに獣医にはなれないから」
「それにしたって……ああ、もうやんなってきた」
 神楽はシャーペンを放り出してしまった。ごろんと横になってしまう。
他の人よりも早い追い込みで、疲れているのは分かる。けれど。
「せめて、それは終わらせた方が……」
「はぁ……ちょっと休むだけだよ」
私はしかたなく自分の参考書に目を戻した。

649 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/11 23:58 KiPHQ2Jm
 どれくらい経ったのか、いきなり神楽が立ち上がった。トイレにでも行くのかと
思ったが違った。神楽は私の背中にもたれかかった。すりすりとほほをこすり
あわせてくる。
「ダメだ。神楽」
 私は神楽を制止した。ここ最近は体を合わせることもなかったので、神楽の体温は
懐かしい感じがした。でも、応じるわけにはいかないと思った。応じたら最後、
今日一日はお互い勉強なんか手に付かない。特に私は、意地汚く神楽を求め続けて
しまうから。
「ちょっとだけ……」
「ダメ……。そのへんのけじめは、つけられるだろ、きみは……」
 神楽は離れてくれない。神楽の匂いが私の鼻をくすぐる。感触が気持ちいい。
頼むから離れて欲しい。私の理性は、そんなに強くないんだ……。
「いいじゃん。どうせ私は……」
「そんな」
 人なつっこいと言うより、すっかり媚びる表情になってしまった神楽の顔から、
慌てて目を離した。けれども、神楽は私にしがみ付き、私の目をのぞき込む。

650 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/11 23:59 KiPHQ2Jm
「私のこと、大事じゃないの?」
 ずるいと思った。問題をすり替えていると思った。けれど、光る瞳でじっと
見つめられて、そう言われると胸がじわっと熱くなって、いつもにも増して
うまく言い返せない。
「神楽……!」
「あんた、余裕あるんじゃん。だからさぁ……」
 神楽の手のひらが私のほほをなで上げた。もういつまで堪えられるかわからない。
だけど、それとは別に、神楽に対する怒りがこみ上げてくるのも感じる。
私は、何のために自分の気持ちを抑えてきたんだろう。
「私は、もういいよ。榊は、頭いいから、多分だいじょうぶだろ……ふふっ」
「…………」
 イライラがつのる。神楽は、結局私のことなんかちゃんと見ていなかったのか?
他の人と同じように、私がまるで何の苦労もせずに生きているかのように
思っているのか? そして、私を裏切って、一人で楽な方に逃げようとしているのか?
「無理すんなよ。榊だって……ほんとは、したいんだろ?」
「!」

651 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/12 00:00 +7RGVD4/
 私の中で、何かが音を立てて弾け飛んだ。体が勝手に動き、神楽に飛びかかった。
気がつくと、神楽の肩を全力でつかみ押し倒していた。
「榊……?」
「よくもそんな……」
肩に込められる私の手の力が普通じゃないのに気づき、神楽が身をよじろうとした。
だけど、もう遅い。私の心の中を熱いものが暴れて、抑えられない。かあっと頭が
燃えて、神楽以外の目に入るものがなにもかもぐらぐらとする。
「痛いっ……」
「余裕? そんなもの……!」
衝動だけに突かれて神楽の胸を服の上から力任せにつかんだ。思いやることなんて
できない。してやらない。
「な、さ、榊!? 痛い、痛いって」
「大事じゃないなんて、だったらとっくに……!」
神楽が抵抗するが、私は神楽の唇に自分の舌をねじ込み、そして体重をかけて
押さえ込んだ。乱暴に口をねぶってやると、徐々に抵抗は薄れていく。
舌先を合わせ、前歯を撫で、歯茎をなぞる。手のひらに触れる神楽の体が、ゆっくりと
緩んでいく。熱い息を神楽に吹き込んでから、口を解放する。

652 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/12 00:01 +7RGVD4/
「榊……」
「望みどおりにしてやる。どうなろうと知らない!」
「やっ、ちょっと……」
 暴れる神楽の足を足で押さえつけ、服を無理やりめくりあげ、ブラをはぎ取る。
そしてまた力任せに胸をつかむ。抑えがきかない。次から次に黒い衝動がわきあがる。
「痛い、痛い……やぁ、痛い、よぉ……あ……」
手の動きは力任せながらも、ときどき乳首をつぶすようにつねり、しぼりあげると、
もう神楽の声に甘いものが混じる。それにぞくぞくする小気味の良さを覚えて、ますます
のめりこんでしまう。
「ふぁ……んあぁ……こんな……ひっ! い、痛いっ! だめっ! あぁ……」
 いきなり歯を立てて噛み付いてやると、神楽の体に力がこもる。でも、直後にまた
やさしくねぶってやると、力が抜け、溶ける。
 すかさずスカートをめくり下着に手を突っ込む。
「濡れて……」
「榊、こんなの……あっ!」
指に力を込めると、すぐに神楽は反応した。その姿にますます劣情を燃やしてしまう。

653 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/12 00:02 +7RGVD4/
「じゃあ逃げればいいじゃないか。本気で逃げようともしないで」
「ち、ちが……ううっ、んんっ! はぁ、ちがう、よおっ!」
乱暴に股間の一番敏感なところを蹂躙すると、目をつぶって目尻に涙をためて神楽が
叫ぶ。この顔をもっとぐしゃぐしゃにしてやりたい。
「違うって、なにがだ?」
「わ、私は……ああっ! 私はただ、んっ」
 胸に吸い付き、ぺろぺろとなめる。さらに、神楽の中に少しだけ指を差し込みながら、
別の指でその周囲をちょろちょろとなぞると、差し込んだ指に神楽の力がかかるのが
分かる。
「喜んでるくせに! 逃げないじゃないか! 私が、神楽から逃げられないことを
知っててあんなことよくも……!」
まるで自分のものじゃないような金切り声が出た。その下で神楽が苦痛と快感に飲まれて
いるのを見て興奮が高まり、さらに神楽に苦痛と快感を与えたくなる。
「うぁ……かっ……あくっ……」
「きみが望むなら、本当に私はきみを好きにしてやる! 受験も、水泳も
なにもかも忘れて溺れてしまえばいいじゃないか。本当にめちゃめちゃにしてやる……」
 股間の突起をくりくりと、ただ暴力的に快楽を与えるために嬲る。手は胸をつぶす。
「はあっ、ああ……め、んなさい……うあっ、あっ」
「乱暴にされて喜んでるくせに! 今さら……知らない……! 知らない……」
涙が止まらない。何でこんなに悲しいんだろう。

654 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/12 00:03 +7RGVD4/
「そう……毎日、二人でこうして、何もかもダメになって……!」
「ちがうっ! そうじゃない、ああっ、そうじゃな……ふあっ、んんっ」
ついに、神楽の瞳からも力が抜けた。断末魔の声が聞こえた。
「か……き……さか……き、すき、ら、すきだから……ごめん……」
「…………っ!」
「ごめん……ごめ……あっ! あっあっあぁぁ! ……ぁ……っ……!」
 私はとどめをさした。気の済むようにしたはずなのに、どうしようもなく悲しくて、
痛かった。何も言えずに、神楽の横に、私は泣き崩れて倒れ込んだ。
 私は、眠り込んでいたようだった。目を開けると、神楽が私のそばに座っていた。
目がひどく赤い。ずっと眠った私を見ながら泣いていたらしい。
「ごめん、榊……あんなこと言ったから」
「いや……」
起き上がっても、神楽の顔を見られなかった。

655 名前:最期の冬休み 投稿日:04/03/12 00:05 +7RGVD4/
「榊、私……」
「いや、悪いのは私だ。今まで、迷惑かけて、ごめん……」
心が地の底まで沈んでいくようだった。気力は、残っていなかった。
「さか……」
「もう神楽には迷惑はかけない……。ひとりに、してくれないか」
 私はベッドに倒れ込んだ。神楽が、立ち上がるのが分かった。
「じゃ、じゃあ、帰るよ……。また、話せるよな?」
「分からない……」
「…………」
 服の乱れを直す音がした後、神楽は黙って私の部屋を出ていった。
多分、もう私は神楽の助けにはなれないし、助けてもらうこともできない。そう思った。


おわり


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