529 名前:大阪恋愛モノ 投稿日:03/10/16 19:19 9hBtkQ/o
「大阪!」

「・・・・・・」

「大阪!!」

「・・・・・え?どないしたん?」

そろそろ町並みも秋らしくなってきた。十月の帰り道。

「今日の大阪なんかぼ~っとしすぎじゃない?どうかしたの?」
智がめずらしく心配げに大阪の顔を覗き込む。

「いつものことじゃん」
暦が長い髪の毛をいじりながらつぶやいた。

「今日の大阪さんずっとぼーっとしてましたよ?」
ちよちゃんも心配げに大阪の方を見ていた。

「なんでもあらへんよ?」
そういって大阪はまた秋の澄んだ空を見上げていた。

大阪はその後もずっと皆の会話に入らず、ぼーっと空を眺めて歩いてるのだった。


530 名前:大阪恋愛モノ 投稿日:03/10/16 19:20 9hBtkQ/o
「じゃあ、私ここまでやから。ほなら~」
突然、大阪はみんなが帰る道と違う道を指差した。

「あれ?大阪さんってこっちの道じゃないんですか?」

「ん・・・・・・今日はちょっと用事があんねん」

「そーか。じゃーな。バイバイ」
智は 大阪に小さく手を振った。

「・・・・絶対なんかあるよな~」
「まさか男!?」
「大阪に男?ありえね~」
「ちよちゃん、どうなの!?」
「なんで私に!?」

531 名前:大阪恋愛モノ 投稿日:03/10/16 19:44 9hBtkQ/o
大阪はある喫茶店に向かっていた。
秋の少し肌寒い風を全身に受けても足取りは軽かった。

喫茶店に着くと大阪はきょろきょろと周りを見渡した。

「あ、おった~。マサキ~」
大阪の視線の先には男が一人。
眠そうにうつむいている。
髪は茶色く、前髪が長いミディアムウルフ。
身長は大きく、180前後といったところだ。

「おせ~よ」
マサキと呼ばれた男は不満そうに言った。

「マサキが早すぎるんや~」

「一時間前からいたんだぞ・・・・・」

「・・・・・・・・」

「まあいいや。なんか食うか?」

「サンドイッチ~」

「はいはい」

545 名前:大阪恋愛モノ 投稿日:03/10/22 19:34 NrjjWtOf
「お前食うのおせ~な~」
マサキはのろのろとサンドイッチを食べている大阪を眺めている。

「こんなよ~さん食べれへん~」
四つあるサンドイッチの内、大阪が食べたのはわずか一個半。
まだ十五分かけてまだ半分も食べていない。

「小食すぎだろ・・・・」
マサキはあきれた顔をして残ったサンドイッチに手を伸ばす。


546 名前:大阪恋愛モノ 投稿日:03/10/22 19:36 NrjjWtOf
気が付けば外はもう暗い。七時だ。

「うわ~もう暗れぇ」

大阪が壁にかけてある時計に目をやった。
「もう七時や~」

「結局ここに二時間もいたのか・・・・」
マサキはため息をついた。

「そろそろ行くぞ。歩」
立ち上がって大きく背伸びをし
椅子にかけてある灰色のパーカーをはおった。

「まってぇマサキ~」

「おいてくぞ~」

523 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/07/05 18:54 AfTjV7W9
「大阪!」

「・・・・・・」

「大阪!!」

「・・・・・え?どないしたん?」

「またそれかよ!」
日付けが変わってもたそがれている大阪に智がどなる。

「・・・・・で昨日はなにしてたんだよ~」

ニヤニヤとした智を見て大阪は顔を茜色に染めた。

「ほっ・・・ほんまになんでもあらへん~」

「声のトーンが上がってるぞ」

「えっ・・・いやあの・・・」

524 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/07/05 18:55 AfTjV7W9
智はあわてる大阪を見てとどめを刺すようにつぶやいた。

「どーせ男だろ~!」

「・・・・・・・・」
大阪は顔を真っ赤にしてうつむいて黙っている。

「・・・・でどんな人なんだ?ん?」

「・・・・おしえへん」

「へ~じゃあ皆に言っちゃうぞ~」

「そ・・・・それだけは・・・・」

525 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/07/05 18:56 AfTjV7W9
「じゃあ今日もデートなの?」

「今日は彼が部活やねん」

「え!?何部なの?」

「え・・・・・」


放課後の教室。
他に誰もいなくてよかったと大阪は心から思った。


526 名前:名無しさん@ピンキー 投稿日:04/07/05 18:57 AfTjV7W9
西村マサキ。
彼は大阪たちが通う高校とは電車で三駅離れた私立高校に通っている。
そして休みが月に一日しかないという地獄のサッカー部に入っている。
別にサッカーでなくてもよかったが顧問に強く勧められて入部した。

そんな普通の高校生だ。


二人が出会ったのは六月。
激しい雨が毎日のように降っていた梅雨の日の夕方。

538 名前:518 投稿日:04/07/06 14:32 ozGKl/4W
その日もやはり雨が降っていた。
傘に降ってくる雨が強すぎて傘が重く感じるような中
大阪は友達と買い物に出かけていた。
友達と言ってもいつものメンバーだが。

「あかん~雨で買った服が濡れてしもた~」

「あんたのトートバッグ生地が薄すぎじゃん」

「あ!あそこにあるコンビニで少し休みましょうよ!」
ちよちゃんが少し先にあるコンビニを指差す。

後にこのどこにでもあるようなコンビニが二人を結びつける。

「こりゃこれからもっと強くなるだろうな~」
ガラス越しに灰色の空を眺めながら暦が言う。

「じゃあこれ以上強くなる前に帰りましょうか」

ちよちゃんが買ったタオルで腕や顔を拭いてから皆はコンビニを出た。


539 名前:518 投稿日:04/07/06 14:58 ozGKl/4W
「あれぇ~?」
大阪が外に置いてある傘入れをあさっている。

「あれ?どうしたんですか大阪さん?」

「ここに掛けといた傘があらへんのや~」
どうやら盗まれたようだった。

「馬鹿だな~大阪」
智は無事だった自分の傘を何故か誇らしげに広げた。

「馬鹿って言われても・・・・・」

結局大阪は一番大きい暦の傘に入れてもらった。

540 名前:518 投稿日:04/07/06 15:42 ozGKl/4W
なんとか暦と相合傘で駅まで着いたが
降りる駅が一人だけ皆と違うので
電車を降りたら一人になってしまう事に大阪は気付いた。

「あかん!電車降りたらどないして帰るんや!」

「傘買えばいいじゃん」
一人パニックになってる大阪を見て暦が核心を突く。

「ああ~暦ちゃん頭ええなあ」

そんなことを言っているうちに駅についた。


559 名前:518 投稿日:04/07/07 16:53 f7tV8K1a
中立場駅。この駅は小さな駅なので駅のそばに店があまりない。
あるとしたらスーパーが1km位先にある。
そこまではさすがに遠すぎる。
なので大阪は駅の売店で傘を買おうと思った。

しかし売店に傘は一本も見当たらない。

「ええ!売り切れなん!?」

「はい」

「はぁ~・・・・・」

需要と供給のバランスの悪さを感じながら
とぼとぼと少し離れたスーパーへ向かった。
足元があまり濡れてない道を選びながら。

560 名前:518 投稿日:04/07/07 16:54 f7tV8K1a
同時刻。
「はぁ~歩くのだりぃ・・・雨の中やるとは思わなかった・・・・」

マサキは部活が終わり中立場駅に向かっていた。
大きな黒い傘を差しながら。

マサキはいつもの階段の前に来た。
上る訳ではない。この階段はかなり急な為に
見上げれば女子高生のスカートの中が見える事がある。
だから「いつもの」なのだ。
だが今日は一人だし疲れてそんな気分でもない。
マサキはその階段の前を通り過ぎようとした。

その時だった。

561 名前:518 投稿日:04/07/07 16:54 f7tV8K1a
ザザザッ・・・・・

「!!!!??」

でーん。

階段から滑った大阪がマサキに激突したのだった。

「いててて・・・・」

「ご・・・ごめんなさい!ごめんなさい!」
何が起こったか分かっていないマサキにひたすら謝る大阪。

「ああ・・・」
マサキはやっと事を理解した。

「ごめんなさい!私足がすべっちゃって・・・」

「分かったから俺の上からどいてくれる?」

「ああっ!・・・すいませんすいません・・・」
顔を真っ赤にしながらも謝る。
と言うより大阪はパニックで謝る事しかできなかった。


562 名前:518 投稿日:04/07/07 17:37 f7tV8K1a
「やべぇ・・・制服がビショビショだ・・・・」
紺色のはずの制服が茶色や緑やらのカモフラ柄のようになっている。
もちろん大阪の服もマサキほどではないが濡れて汚れてしまっている。

「あわわ・・わ・・・私弁償しますから!」

「いや・・・別にいいから・・・・」
悪気がない相手に弁償させられるわけがない。まして相手は女の子だ。
怒る気も失せた。

「全く・・・・これからは気を付けろよ・・・」
マサキは少し曲がってしまった傘を持ってその場を去ろうとした。
早く帰って制服を洗わないと明日学校に行けないのだ。
だからこんなところで油を売ってるわけにはいかなかったのだ。

「いたっ!!」

マサキが振り返ると大阪は足首を抱えてうずくまっていた。
びしょ濡れの地面に座り込んで。

746 名前:518 投稿日:04/08/12 20:03 Rhwdr3mT
「・・・・・!?どうした!?」

「足・・・足が痛い・・・」
雨に打ち消されそうな小さな声で言った。

大阪の服はもう元の色がわからない位に汚れてしまっている。

「足か・・・・歩けそうか?」
大阪の腕を引っ張る。

「ありがとう・・・・大丈夫やから・・・」
ぎこちなく立ち上がる大阪。
もう敬語を使っていない。

747 名前:518 投稿日:04/08/12 20:03 Rhwdr3mT
「ホントに大丈夫か?フラフラしてんぞ・・・」

「うん大丈夫・・・・あわわわ!」
大阪はバランスを崩して倒れそうになった。
「おっと!」
マサキが両手を伸ばして受け止める。

「危なっかしいな~お前」

「へへへ・・・ありがとぉ・・・」
純粋な笑顔を見せる大阪。
マサキはその笑顔に何か不思議な気持ちを覚えた。

優しい気持ちになれるような。

彼はまだその気持ちが何なのかわからなかったが。


748 名前:518 投稿日:04/08/12 20:04 Rhwdr3mT
「ホントに大丈夫か?フラフラしてんぞ・・・」

「うん大丈夫・・・・あわわわ!」
大阪はバランスを崩して倒れそうになった。
「おっと!」
マサキが両手を伸ばして受け止める。

「危なっかしいな~お前」

「へへへ・・・ありがとぉ・・・」
純粋な笑顔を見せる大阪。
マサキはその笑顔に何か不思議な気持ちを覚えた。

優しい気持ちになれるような。

彼はまだその気持ちが何なのかわからなかったが。


749 名前:518 投稿日:04/08/12 20:04 Rhwdr3mT
「俺らもうびしょ濡れだな」
マサキはそう言ってボロボロのエナメルバッグから真っ白のタオルを取り出した。

「ほれ。ちょっと臭いかもしんねえわ」
苦笑いしながら大阪にタオルを渡す。

「ありがと~。わっ!くさっ!」

「えぇ!?マジで臭かった!?」

「ウソや~」

「・・・・・・・」


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