
- 839 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:23 ID:qBysNwtA
- 教室で二人の少女が相談をしていた。小さい少女が口を開く。
「ちよちゃんの誕生日プレゼント何がいいかなぁー ちよちゃんて頭いいからなんか頭よさそーな物かなぁ」
しばしの沈黙。
「頭よさそーな物ってなんだ?」
「さあ」
大きい少女も答えを持ち合わせていなかった。再び小さい少女が話し始める。
「でもちよちゃんちお金持ちだろー? なんでも持ってそーだよなぁ 榊は何贈るつもり?」
「ねここねこぬいぐるみ」
問いかけに大きい少女は即答した。さして関心を示さない小さい少女に「かわいいぞー」などと説き伏せる。
「そっかー かわいい物かぁ でもぬいぐるみって結構高いんだろ?
なんかこう気持ちのこもった……そうだ! それ作ろう、二人で!」
「二人で!?」
小さい少女の突然の提案に大きい少女は驚きの表情を見せた。
「やっぱありものを買うよりさ、作るんだよ、自分で!」
すっかり乗り気の小さい少女に大きい少女は戸惑いの表情を見せながら行った。
「でも、ぬいぐるみなんてうまく作れない」
「そんなの私も作れないから、安心しろ!」
大きい少女の不安などどこ吹く風といった様子で、小さな少女は底抜けの笑顔で言った。勝手に話を進行されてゆく。
「私はこねこを作るから榊は大ねこだ。心がこもってれば大丈夫さ、気持ちだよ!」
小さい少女は大きい少女に言い聞かせる。
「気持ち!」「……気持ち」
「マインド!」「……マインド」
相談と言っても小さい少女――神楽が、大きい少女――榊にほとんど一方的に話し掛け、勝手にリードしていく。
これがこの二人の関係だった。ただ今回がいつもと違ったのは、榊もわずかに積極性を見せたということだった。
- 840 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:23 ID:qBysNwtA
- 結局プレゼントはその手作りぬいぐるみということで決定し、休日を利用して二人で作ることになった。
二人で作り方の本と材料を買いに行き、榊の部屋へと向かった。
榊にとって、友人を部屋に迎え入れるのはこれが初めてであった。
初めて客人を迎えた部屋にはところどころぬいぐるみが置いてあり、女の子らしい内装になっていた。
それはまさに主である榊の心を映していた。
「へえ、榊ってぬいぐるみ好きなんだ」
「……うん」
部屋を見せることはまさに心を見せるに等しいことだった。
「榊ってクールなやつだと思ってたんだけどな。結構かわいいとこあるじゃん」
だから、初めて部屋を見せた相手である神楽が他意もなく言ってみせたその言葉は、榊にとっては嬉しいものだった。
榊は照れ隠しのために彼女の所有物であるねここねこぬいぐるみを持って来て神楽の前に置いて言った。
「さあ、作ろう」
だが、二人ともが宣言したとおり、ぬいぐるみはうまく作れなかった。サンプルが目の前にあるのになぜかうまくいかない。
大量の布切れが廃棄物へと姿を変え、布の山を形成していった。
「まあ、初めてなんだから失敗するのはしょうがないって」
「……いや、実は私は初めてじゃないんだ」
神楽のフォローに榊は去年の文化祭でぬいぐるみを作って展示したことを説明した。
「へえ、どんなの作ったんだ?」
それに応えて榊が持ってきた珍妙な物体に、さすがの神楽も言葉を失った。
「……なんだ、これ?」
「犬……いや、猫だったかな?」
もはや真実を知る者は誰もいなかった。
- 841 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:24 ID:qBysNwtA
- 淀みかけた場の空気に耐えられなくなった神楽が室内を見渡し、口を開いた。
「それにしてもいっぱいあるよなあ。これ自分で集めたのか?」
「うん。私はこんな見た目だからそのせいなのかな。昔からかわいい物が好きなんだ」
今まで口に出すことのなかった自分を曝け出す言葉に、榊自身驚いた。
なぜこんなにも率直に言えるのか、その理由はすぐにわかった。
そう、ここでなら、ここに招き入れた相手になら素直になっていい。
「こんな見た目ってよくいうよ。そんなにカッコイイくせに」
「かっこいい……私が?」
「そうだよ、知らないのか? お前って結構人気あるんだぜ。」
それは榊自身わかっていた。これまでそのような視線を受けて生きてきたから。
「……榊ってさ、今まで誰かとつきあったことないのか? すごくモテそうだけど」
「……ない。神楽は?」
「私もないよ。でもさあ、こういう話になる度に思い出すんだよな、黒沢先生の話」
数ヶ月前の夏休みの別荘で酒に呑まれたみなもが語った『大人の話』の数々が二人の記憶のそう深くない部分から
引っ張り出された。ああいった話に関心がないわけではない。実際二人とも顔を赤らめ、みなもから目をそらしながらも
しっかりと話を聞いていた。だが、まだ自分には縁のない未知の世界の出来事としてしか認識できないのだ。
小さな友達の誕生日を祝おうとしているこの二人は、結局まだ大人ではなかった。
- 842 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:25 ID:qBysNwtA
- 榊はわかっていた。自分の出す近寄りがたい雰囲気が自分をそういったことから遠ざけているのだと。
神楽はわかっていた。『男の子みたい』な性格と自覚し、そのように振舞ってきた事が自分をそのような話題から
縁遠いものにしているのだと。
「……榊はああいう話ってどう思う?」
「……興味がないわけじゃない。でも、将来自分がそういうことをやるんだっていう実感がわかない」
一度自覚したこととはいえ、自分の心の最奥の部分をこうも簡単に見せてしまっていることに榊は驚いた。
「私も同じだよ。なんか自分がそんなふうになるってことに不安があるんだ」
性への不安は誰にでもあることだ。『初めてのときは痛い』とかそういった生半可な知識があるために余計に不安は増す。
だが、一度決まってしまった話題の方向は修正されず、さらに神楽は続けた。
「榊は……その……自分でしたことあるか?」
「……ある」
私は何を言っているんだ? 喋りすぎだ! 榊はそう自分に言い聞かせるが、なぜか神楽の前で嘘がつけない。
「やっぱさ、自分でやるより気持ちいいのかな?」
「そんなの、わからない」
ぶっきらぼうな答え方だったが、本当なのだから仕様がない。
これまでの人生の中で人と話すことも触れ合う機会も少なかった榊だが、神楽と話すことで心を開いているような気がする。
だから
「じゃあさ、その……試してみないか、私達で」
顔を赤らめながらの神楽のそんな申し出に
「……うん」
肯いてしまい、神楽に唇を許したのは榊にとってはさして抵抗はなかった。
- 843 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:26 ID:qBysNwtA
- 初めて唇を重ねた相手の温かく、柔らかいその感触に二人は何か愛しいものを感じた。
二人の腕の役割が抱擁になったとき、神楽は舌を伸ばした。互いの舌が触れ合ったときのその不思議な感覚に
二人はいつしか病みつきになり、その触覚と味覚で互いの存在を確認し合った。
それをどれほど続けただろうか。神楽は榊を押し倒し、覆い被さってみなもの話を思い出しながら、
まずは榊の耳を舐めてみた。
「ああっ!」
榊の嬌声があがった。
「へえ、ここって感じるものなんだ。なんか変なの。じゃあこんなのはどう?」
言って神楽は榊から見れば下にさがって、首筋に舌を這わせる。そこでも榊の声があがる。さらに下へと向かい、
鎖骨のあたりに達したところで神楽は榊の衣服を脱がせていった。榊は全く抵抗する様子を見せなかった。
- 844 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:27 ID:qBysNwtA
- 神楽は露わになった榊の乳房の豊かな曲線を手でなぞってみた。体温は変わらないはずだが、
他とは違う優しい暖かさが手に伝わってきた。続けて神楽は乳首を口に含んだ。
「んっ……んんっ」
舌のざらざらした感触、唾液のぬめり、口内の温かさ。自分の指では決して味わえない感覚に榊は通常よりもずっと
早く高まっていった。榊の呼吸が次第に荒くなる。
「榊、感じてるのか?」
返事がないのを肯定と受け取った神楽はさらなる快楽を与えようと、榊の股間へと手を伸ばした。
「そ、そんな……そこは……」
自分の大事な部分に他人の手が触れるという事実に榊は少なからず恐怖を覚えたが、それを拒絶するために
脚を閉じることはしなかった。恐怖心よりもさらなる性感への期待のほうがはるかに勝っていた。
神楽は榊の外陰部を指でなぞってみた。早くも榊の口から喘ぎ声が漏れてきた。
「それじゃあ、入れるよ」
神楽はそう言ったものの榊の返事を待たずに、榊の秘所へと指を挿入した。
「あ……あ……やっ……」
榊は声をあげる。もはや恐怖心は完全になくなり、心は快楽だけを求めた。
神楽も他人の秘所に指を入れることにためらいはあったが、いまでは夢中になって指の前後運動を繰り返している。
それは愛撫と呼ぶには拙いものだったが、榊を感じさせるには充分だった。
普通ならどこが感じやすいかわかっている自分でやったほうがより強く感じるはず。
それなのに、どうして他人にしてもらっている今はこれまでにないくらい感じているのだろう?
榊の頭にそんな疑問が浮かんだが、押し寄せてくる快楽の前にそれはあっさり消しとんだ。
榊の呼吸がさらに荒くなり、半ば言葉にならない言葉で告げた。
「もっ…と……もっと……奥に……して……はげしく……」
「うん……わかった」
榊のはしたない要求に驚き戸惑いながらも神楽はそれに応えた。榊の喘ぎ声の間隔がだんだん短くなってゆく。
もうすぐだ、と直感した神楽はその前後運動の一番深い部分で指を曲げた。
「あッ……あッ……あッ……ああああ――――――ッ!!」
絶頂を迎えた声とともに、突然神楽の指が強く締め付けられた。
- 845 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:28 ID:qBysNwtA
- 「すごい……ぬるぬるだよ、榊のここ」
神楽は指を抜きながらそう言った。普段のクールな(ように見える)振る舞いからは想像できないほど乱れ喘いだ榊の姿に
神楽は身体が疼くのを感じた。だから――
「次は……神楽の番だよ」
興奮冷めやらぬ榊のその言葉に肯くのは当然のことだった。
神楽の服を脱がせてから、今度は榊が上になった。
「お返しだよ……」
榊が神楽の乳首を口に含む。舐めるだけでなく、吸ってみたり、舌で焦らすように突付いてみたり、
唇で優しく噛んでみたりと、刺激の方法を様々に変えていく。
「あ、あ……あんっ……」
「感じやすいんだね……」
敏感な神楽の反応に榊は嗜虐心をかきたてられ、さらに攻めを続ける。榊の右手が神楽の股間へと伸びた。
「あ、ああ……ン……ふああ」
先ほどまで榊が味わっていたのと同様の快感が神楽に襲いかかる。榊は自分の攻めで神楽が快楽を得ていることに喜びを
感じ、神楽もまた、自分でするときとは違う快楽に酔いしれた。
快楽を与える喜びと受ける悦び。神楽はそれを共有したいと思った。だから、突然榊の攻めをやめさせて、再び榊の上に
覆い被さり、自分の性器と榊のそれを重ね合わせた。
「こうやれば、二人とも気持ちいいんだよな」
「うん、二人一緒に……」
一緒に。その言葉が二人の心を揺さぶった。そう、一緒に感じあえるならそれが最高の喜びだ。
上になった神楽が主に腰を動かす。二人の秘所から溢れ出した液体が潤滑油となって互いの秘所が触れ合う感覚を
より快いものにしている。
「あっ、あっ、あふぅん……」
神楽はさらに腰を強く押し付けた。二人の敏感な部分への刺激がさらに強くなり、二人はまさしく一つになった。
くちゅっ、くちゅっ、という愛液のいやらしい音、そこから発せられる快感、全身に感じる互いの温もり、
そしてその名を呼び合う声。今の二人にとってそれが世界の全てだった。
「神楽、神楽ぁ……私……」「榊、もう……イク……」
「ふあ、あっ、あっ……ああああああぁぁぁぁっっっ!!!」
同時に絶頂に達した二人の声が重なり、部屋に響いた。
- 846 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:29 ID:qBysNwtA
- 二人が狭い世界から解き放たれてからも、まだ重なり合っていた。
今はまだ一緒にいたい。この温もりを手放したくない。
やがて神楽が口を開いた。
「榊……一人のときよりも気持ちよかった?」
「うん……神楽は?」
「……私もだよ」
そう言って二人は抱きしめあった。今度は榊の方から口を開いた。
「でもなんでだろう。一人のときと二人のときでこんなにも違うのは」
神楽がそれに答える。
「それはきっと……気持ちだよ。気持ちを込めたからだよ」
「そうか……気持ちか……」
榊が感慨深げにつぶやいた。
「気持ち!」「……気持ち」
「マインド!」「……マインド」
神楽がほとんど一方的に榊をリードする。それがこの二人の関係だった。
ただ今回がいつもと違ったのは、榊も積極性を見せたということだった。
気持ちを込めて作るべきもの――ねここねこぬいぐるみのことを二人が思い出したのは
服を着たあと積み上げられた布の山を見たときだった。
- 847 名前: 榊と神楽とねここねこ 投稿日: 03/07/10 18:30 ID:qBysNwtA
- 結局ぬいぐるみは後日改めて作られた。お世辞にも巧いとは言えない出来だが、
気持ちが込められているのだから大丈夫だ。
二人は自分にそう言い聞かせた。
「てなわけで私達は二人で一セットです!」
「わー」
期待の眼差しのちよに二人は自作のぬいぐるみを差し出した。
(なに――― これ―――)
正体不明の物体を見たちよは何もリアクションできずに固まっていたが、神楽はお構いなしに解説を加えた。
「おっと! 一つ一つで見ればわからないかもしれないけど」「ガキャーン 合体!」
神楽は両手に持った二つのぬいぐるみを勢いよく重ね合わせた。
(なに――?)
ちよはやはり固まったままだった。一方榊は――
私が大ねこ……神楽がこねこ……合体……また誘ってるのかな?
一人顔を赤らめていた。
榊の恥ずかしい連想が正しかったのかどうか。それは二人だけが共有する秘密。
(おしまい)